冷蔵は絶対ダメ!ご飯をおいしく保存する冷凍術の“極意” もちもちキープの「秘訣」を実験データで紹介
毎日食べる「ご飯(米飯)」。ご飯を冷凍保存されている方は多いと思いますが、「余ったからとりあえず冷凍する」方や、「これで正解か自信がない」方も多いと思います。 「冷凍食品専門家」「冷凍生活アドバイザー」として活動し、『いますぐ食べたい! 冷凍食品の本』や『冷凍王子の冷凍大全』などの著書のある“冷凍王子”こと西川剛史さんが、ご飯のおいしさをキープする冷凍術の極意を紹介します。 皆さんは普段、炊いたご飯をどうやって保存していますか? 冷蔵、炊飯器、冷凍……と、家庭によってさまざまだと思いますが、ズバリ、ご飯を最もおいしく保存できる方法は「冷凍」なんです。 【図で見る】冷凍ご飯を加熱したものは、炊きたてのご飯と「おいしさ」がほとんど変わらない!
単に長期保存ができるだけではなく、おいしさもキープできるのが冷凍の良さです。 ■ご飯がマズくなる理由はコレだ! その理由は、ご飯に含まれるでんぷんにあります。 でんぷんとは、簡単に言ってしまうと、ご飯のおいしさの決め手である甘さや粘り、食感のもと。お米のでんぷんは水分と一緒に加熱(炊飯)することで、もちもちとやわらかく、消化しやすくなります。 この現象を「糊化(こか)」または「α(アルファ)化」といい、糊化されたでんぷんの状態を「αでんぷん」と呼びます。この状態がキープされると、おいしさが保たれます。
反対に、ご飯は冷めていく過程で水分が飛び、でんぷんが「老化/β(ベータ)化」すると、味が落ちていきます。 でんぷんの老化が最も起こりやすいのが0~5℃で、冷蔵庫内はまさにこの温度。ご飯を冷蔵保存するとおいしくないのは、こういう理由なのです。 では、炊飯器での保温なら大丈夫かというと、やはり保温し続けることで水分が飛んでご飯が硬くなり、風味も飛んでしまいます。さらに、炊飯器のフタの開閉で水分が湯気となって蒸発するため、何度もフタを開け閉めしていると、どんどんおいしさが失われていきます。
この点、冷凍保存はご飯の水分を保持したまま凍らせるので、パサつかず、かつ味が落ちにくいのが特長です。 ■冷凍ご飯がおいしい科学的理由 ここで、冷凍ご飯のおいしさの秘密を調べた実験データ(旭化成ホームプロダクツ調べ)をご紹介しましょう。 ご飯のおいしさの指標は「α化度」で見ており、炊きたてが100%。24時間冷凍した後に常温解凍したご飯は81.7%、再加熱したご飯は97.6%になります。 4週間冷凍したものでも再加熱をすれば98.6%に復活。炊きたてと変わらない状態に戻ります。冷凍で長期保存したあとでも、再び加熱をして解凍するのがポイントです。