「近い将来、黄金期を迎えたい」全国高校駅伝“史上最速ランナー&全国制覇のエース”が揃って早大へ…超ルーキー候補に花田監督が抱く野望は?
12月22日に行われた全国高校駅伝・男子。 八千代松陰高(千葉)の鈴木琉胤(るい)が、エース区間の1区で衝撃の走りを見せた。 スタート直後から先頭に立つと、終始先頭を引っ張り続け、後半は独走で2位以下を全く寄せ付けなかった。 【写真で見る】「えっ、何頭身なの?…足なっが!」超キレイな腰高フォームの今季高校No.1ランナーは早大へ…全国高校駅伝で3区区間賞→早大進学の“全国制覇のエース”のダイナミックな走りも見る 「2km過ぎから金閣寺まで向かい風が強くて。風に煽られて“これでいけるのか”という不安はあったのですが、辛さよりも楽しさが勝ちました」 鈴木がこう振り返るように強風にも負けることなく、ラスト3kmはペースアップ。1区10kmでの日本人最高記録となる28分43秒を打ち立てた。
全国高校駅伝で活躍の「Wエース」が早大へ
鈴木が冬の都大路に衝撃を残してからおよそ2時間後のこと。早稲田大学競走部のホームページとSNSでは、2025年度の推薦合格者が発表されていた。 そこには鈴木の名前に加えて、この日、準エース区間の3区区間賞の走りで首位を奪い、佐久長聖高(長野)の連覇に大きな貢献を果たした佐々木哲の名前もあった。2人が都大路で大きなインパクトを残した直後だけに、このタイミングでの発表には反響も大きかった。 「次年度入学が決まっている選手たちにはLINEで『頑張れ』とメッセージを送っていて、鈴木君からは『快走してきます』という返事がありました。たぶん1区の区間賞を獲るだろうなと思って見ていました。かなり調子が良いとは聞いていたので」 こう話すのは、早大の花田勝彦駅伝監督だ。 「出だしから圧倒的で、本当に強いと思わせるレースでした。もう“別格”の印象はありましたよね。本当にリラックスした走りをしていた。引っ張ってもらったり、競り合ったりしたら、もっともっと記録は伸びる。将来性を感じる走りだったと思います」 花田監督が鈴木の走りを初めて目の当たりにしたのは、彼が1年生だった2年前の徳島インターハイだという。1500mに出場した鈴木は、高1歴代3位の好記録(3分46秒82)をマークして6位入賞を果たした。その時に初めて声をかけ、その後も会話を重ねるうちに「走りだけじゃなくて、人間的にもすごく魅力がある」と、鈴木に惚れ込んだ。 昨年度は仙骨の疲労骨折などで走れない時期もあったが、そんな時も声をかけ続けた。 「将来は日本を背負って立つ選手。ケガが多いので、こういうところを鍛えたほうがいいとアドバイスしたり、順調に育ってほしいという気持ちで接していました。私の中では、後輩の渡辺康幸君を思わせるような何十年に1人の逸材だと思っています。渡辺君と同等か、それを上回る力があるのかなと感じています」 花田監督が引き合いに出した渡辺康幸氏(現住友電工監督)と言えば、早大在学中から世界の舞台で活躍し、箱根路に数々の伝説を残したランナーだ。“それ以上”とまで言い切る鈴木が、早大への進学を決めた時の花田監督の胸中は想像するに難くない。 一方の佐々木も3区で圧倒的なパフォーマンスを発揮した。 先頭の八千代松陰高と36秒差の2位で襷を受けると、首位を奪取しただけでなく10秒差を付けて次走者につないだのだ。また、折り返しでの独特なターンも話題になった。その佐々木はこう語る。
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