「近い将来、黄金期を迎えたい」全国高校駅伝“史上最速ランナー&全国制覇のエース”が揃って早大へ…超ルーキー候補に花田監督が抱く野望は?
「憧れは大迫傑」という佐々木
「大迫傑先輩に憧れているんです」 佐々木は高校の先輩でもあり、現在マラソンで活躍している大迫(Nike)への憧れから早大への進学を決めたという。佐久長聖高では3000m障害を中心に活躍し、インターハイでも優勝。タイム的にも高校歴代2位の記録を持つ。高校時代の記録では、オリンピックで2大会連続入賞中の三浦龍司(SUBARU)をも上回る。 花田監督は、佐々木とのファーストコンタクトをこう振り返る。 「佐々木君と話をした時に、彼のほうから『世界を目指してやりたい』という言葉が出てきて、そんなところにも魅力を感じました。都大路の“ターン”もそうですが、物怖じしない性格で、良い意味で型にはまらない。自分自身の言葉や考えを持っているのも魅力的だなと思いました」 もちろん佐々木が中学時代から全国区で活躍をし、力のあるランナーであることは知っていたという。ちなみに2021年の全日本中学校選手権で佐々木は男子3000mで2位に入っているが、その際、優勝したのが前述の鈴木という縁もある。 そんな実績に加えて、花田監督が佐々木により着目するようになったのは昨秋のことだった。佐久長聖高の高見澤勝監督から「佐々木が良いんです。高校駅伝を見ていてください」と言われ、都大路では佐々木に注目していたという。 5区を任された佐々木は3kmを爆走し、51年ぶりに区間記録を更新。そして今季はトラックでも駅伝でも大活躍を見せた。 実は早大のスポーツ推薦枠は、他の強豪校に比べて極端に少ない。来春の入学者も鈴木、佐々木と堀野正太(須磨学園・兵庫)の3人だけだ。特に10区間で競う箱根駅伝で戦う上では不利にも思えるが、花田監督はプラスの面に目を向けている。 「逆に人数が少ないことで集中してしっかり指導できるのは良いと思います」 実は鈴木が早大への進学を決めたのもここがポイントだったという。 「人数が少ないので1人1人をちゃんと見てくれる。自分を大事にしてくれる場所は早稲田かなと考えて、進学を決めました」 鈴木と佐々木の2人がともに語るのは、「世界への挑戦」と「箱根駅伝への憧れ」だ。早大は2011年の第87回大会を最後に箱根駅伝の総合優勝から遠ざかっているが、鈴木は“優勝”の二文字も口にした。 「箱根駅伝の優勝を目指して、先輩たちの力になりたい。自分たちの代には佐々木君もいるので、切磋琢磨してやれればいいなと思っています」 一方の佐々木も、新たなチームメイトと鍛錬を重ねる日々を心待ちにしている。 「冬は、やっぱり箱根駅伝が憧れの舞台なので、その憧れの舞台に自信を持って臨めるように練習していきたいと思います。鈴木君と同じチームになれるのは頼もしく思います。高校では濵口(大和、中大に進学予定)、来年からは鈴木君と自分よりも強い選手と一緒に競えるのは幸せなことだと思います。一緒に強くなっていきたい」
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