DAISHIN GT-Rにペナルティ。クラフト・バンブーAMGが逆転で初勝利を飾る/スーパー耐久第3戦オートポリス
7月28日、大分県のオートポリスでENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第3戦『スーパー耐久レース in オートポリス』の5時間の決勝レースが行われ、ST-Xクラスは33号車Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3(リー・ジェフリー/太田格之進/チェン・ディーン/リアン・ジャトン)がシリーズ参戦2戦目で初の総合優勝を逆転で飾った。 【順位結果】2024スーパー耐久第3戦オートポリス 決勝 第2戦富士24時間から約2カ月を経て、舞台は夏のオートポリスへ。決勝日となった7月28日は、やや涼しさを感じる風が吹いていたものの、青空のもと夏の暑さのなか11時から5時間の決勝レースのスタートが切られた。 ST-Xクラスは、81号車DAISHIN GT-R GT3の藤波清斗、そして3番手からスタート直後にポジションを上げた23号車TKRI松永建設AMG GT3の元嶋佑弥と、プロをスタートドライバーに据えた2台がリードを築いていく。そんななか、1時間を過ぎた後、ST-Zクラスの上位争いのなかで起きたクラッシュによってセーフティカーが導入されると各車はピットへ向かいドライバー交代。 第2スティントでは中山友貴に交代した23号車TKRIが、藤波から今田信宏に交代した81号車DAISHIN GT-Rをオーバーテイクして首位に立った。一方、3番手を走っていたのは、序盤接触によりペナルティと車両破損があった33号車Craft-Bamboo AMG。セーフティカーランでペナルティの遅れを取り戻す走りをみせていた。 中盤以降は、23号車TKRIの元嶋と81号車DAISHINの坂口夏月が順位キープのままレースを進め、ふたたびピットへ。23号車TKRIはAドライバーのDAISUKEに交代し、これを81号車DAISHINの藤波、そして33号車Craft-Bambooの太田格之進が追う展開となっていった。ただここで、81号車DAISHINはピットアウト時にスターターのトラブルが発生してしまい、押しがけでコースイン。この作業に対しレース結果から1周減算のペナルティが課されてしまった。 最終スティントで81号車DAISHINの藤波がまず23号車TKRIのDAISUKEをオーバーテイクしてトップに浮上する。 さらに、背後から追い上げてきた33号車Craft-Bambooの太田も23号車をパスして2番手に続く。ただ、この時点で81号車にはペナルティが下っており、81号車DAISHINがトップチェッカーを受けるも、ペナルティで1周減算。繰り上がりで33号車Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3が優勝を飾った。 前戦富士24時間からスーパー耐久に参戦を開始したクラフト・バンブー・レーシングにとっては、参戦2戦目でのスーパー耐久優勝となった。最終的に81号車DAISHIN GT-R GT3はクラス4位となり、2位は23号車TKRI松永建設AMG GT3、3位は31号車DENSO LEXUS RC F GT3となっている。 GT4マシンが競うST-Zは、クラスポールの26号車raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4を駆る富田竜一郎が序盤をリード。2番手を52号車埼玉GB GR Supra GT4の吉田広樹と20号車NANIWA DENSO TEAM IMPUL Zの平峰一貴が争っていた。しかし、スタートから1時間過ぎに、メインストレートから1コーナーに向かう地点で並走した2台が接触。姿勢を乱した20号車NANIWA DENSO Zがガードレールにクラッシュしてしまった。 20号車NANIWA DENSO Zをドライブしていた平峰の容態が心配されるほどのクラッシュとなったが、平峰は自力で救急車に乗り、チームからも無事が報告されている。一方、52号車埼玉GBは接触によるダメージやペナルティはなく、中盤以降トップの26号車raffinee Zとの差を縮めていった。 26号車raffinee Zは大塚隆一郎、荒聖治と繋ぐ一方、山﨑学、服部尚貴と繋いだ2番手の52号車埼玉GBが、最後のピットストップでタイヤ無交換作戦を行った。野中誠太に交代し首位に浮上した52号車埼玉GB GR Supra GT4は篠原拓朗が最終走者を務めた26号車raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4に約30秒のリードを築くと、今季2勝目を飾った。3位には、地元戦で速さを見せた5号車マッハ車検 GR Supra GT4 EVOが入り、今季初表彰台を獲得している。 2024年シーズン初レースとなったST-TCRは、M&K Racingの97号車Racer ホンダカーズ桶川 CIVICが優勝。98号車Racer ホンダカーズ桶川 CIVICが3秒差で続きワン・ツーフィニッシュを飾った。1台のみの出走となったST-1は、2号車シンティアム アップル KTMが今季初めて大きなトラブルなく143周を走り、ST-XクラスとST-Zの首位に続く総合6位で完走を果たしている。 ST-2クラスは、ポールポジションからスタートした6号車新菱オートDXL夢住まい館EVO10が序盤をリードするも、トラブルによってガレージイン。その後首位に浮上した225号車KTMS GR YARISは、Aドライバーハンディキャップをものともせず追い上げ今季2勝目を飾った。2位は13号車ENDLESS GRヤリス、3位にはOHLINS CIVIC NATSが続く表彰台となった。 ST-4クラスは、第2スティントでトップに立った41号車エアバスターWINMAX GR86 EXEDYが最終的には約30秒のリードを築き、今季初のトップチェッカーを受けた。2位は3号車ENDLESS GR86、3位はシェイドレーシング GR86という表彰台となった。 そしてSTOが認めた車両が走るST-Qクラスは、92号車GR Supra Racing ConceptがST-Zクラスの上位3台に続く総合9位で完走。他車にはトラブルが相次いでいる。 途中、55号車MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptとバトルもみせた28号車ORC ROOKIE GR86 CNF conceptは、終盤加速が鈍るトラブルが発生しガレージイン。結果的には129ラップで総合29位となった。55号車MAZDA3 Bio conceptは電気系トラブルに見舞われ、115ラップの総合30位となった。初陣に臨んだ61号車SUBARU HighPerformanceX Future Conceptは、エンジンの息継ぎの症状が発生し、複数回のピットインを繰り返しながらも98ラップの総合32位。 水素カローラこと32号車ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptは、液体水素ポンプを作動させる系統の電源にトラブルを抱えガレージへ。修復後、小倉康宏、モリゾウとステアリングを握ったが、エンジントラブルを抱えガレージに戻りレースを終えることに。最終的には60ラップの総合35位となっている。 ENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONEの次回大会は、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われる第4戦の5時間レース。約1カ月後の9月7日にワンデーで開催される予定だ。 [オートスポーツweb 2024年07月28日]