阪神を連敗脱出させた巨人との違いとは…“幻の開幕投手”青柳と“サトテル”で快勝も巻き返しに残る不安
高代氏は「もう大丈夫という材料よりも不安材料の方がまだ多い」と指摘した。 得点はすべてホームランで、タイムリーは60イニングない。1点を追う1回二死満塁の反撃機に糸原が内野フライ、4回無死一、二塁で再び糸原、梅野が凡退、7回一死二、三塁では、代わった変則左腕の高梨に佐藤、近本が連続三振に倒れてチャンスを逃している。 高代氏が問題視したのは4回無死一、二塁の糸原の打席だ。走者を送ることもできず凡退した。 「糸原は、その前の打席(1回二死満塁で内野フライ)の内容もよくなかった。ここはバントで送るべきところ。初球はバントの構えをして見送ったが、次の2球目にヒッティングに切り替えて、なでるようなバッティングでレフトフライに終わった。ベンチの意図は何だったのか。また糸原は自分の役割をどう考えていたのか。最低でもゴロを引っ張って走者を送るのが役割。このあたりにチグハグさを感じる」 この時点で糸原の打率は.180。策もなくただ打たせるような状況ではなかった。 高代氏はズバリ采配が的中した新打線にも疑問を抱く。 「中野ー佐藤の1、2番で試合を決めたが、相手バッテリーからすれば、本当に嫌なのは近本の1番。彼のヒットだけでなく出塁を異常に警戒してくるので、そこにミスが生まれる。近本は、この日、3三振。3番に入ったことで力みが見えた。特に7回に佐藤が三振した後の二死二、三塁での三振などが、その典型。近本の適性を考えると1番だし佐藤も4番で我慢して使ってもらいたい。連敗脱出のための特効薬として打順を動かしたのは理解できるが、長い目で見て、ここから巻き返すためにはチームの軸となる選手は動かすべきではない。いずれにしろ大事なのは明日のゲーム。“たまたま勝てた“では、ここからの反撃の見通しが立たなくなる。戦力はあるのだ」 今日16日の阪神先発は、新外国人のウィルカーソン。来日初のマウンドに上がる。対する巨人もメジャーの実績から言えば格上の新外国人シューメーカー。初先発した9日のヤクルト戦では7回途中で降板したが、5安打2失点とゲームを作った。マイナーリーガーがメジャーリーガー以上の結果を残すのが、日本のプロ野球の魅力ではあるが…果たして…。 (文責・論スポ、スポーツタイムズ通信社)