ヒオカ「ちゃんみな×BMSGのガールズグループオーディション〈No No Girls〉。年齢・身長・体重不問という画期的なオーディションの持つ意味とは」
◆「No」と言われてきた人生 ちゃんみなは、「No No Girls」のオーディションを開催する背景として、自身が「No」を突きつけられた人生を歩んできたことを上げている。 「私はさまざまな場面で『No』と言われてきた人生でした。見た目だったり声だったり曲だったり、あーでもないこーでもないと言われ続けた人生でした」 (音楽ナタリー「SKY-HI率いるBMSG×ちゃんみな、ガールズグループプロジェクト『No No Girls』立ち上げ」) 今ではライブでかなりのキャパの会場を一瞬で埋め、10~20代にカリスマ的人気を誇り、超人気アーティストの仲間入りを果たしている。その独特で唯一無二のファッションやメイクを真似する若者も続出しており、マインドも含めアイコン的な存在なのだ。 さらに、作詞作曲やライブ演出を自ら手がけ、英語と韓国語がペラペラのトリリンガル。韓国でのデビューも果たしている。人気と実力を兼ね備えてきた彼女が「No」と言われ続けてきたなんてにわかには信じがたい。しかし、数々のオーディションに落ちてきたことも明かしており、また先ほど触れたように、確かにデビュー当時の容姿へのバッシングは凄まじいものだったようだ。 それでも腐らずに、死ぬ気で努力して実力を磨き、這い上がってきた過程が、『NG』のリリック(歌詞)を見るとよくわかる。また、容姿を値踏みしてくる声をぶった切るような 歌詞も登場し、実に痛快だ。「怒らせた方が悪いんだよ」「私が誰かわかんだろ」など、ちゃんみな節とも言えるような挑発的な歌詞も健在だ。
◆『NG』が生まれた背景 MVの中では、大きなお腹で超ミニ丈を着こなし、攻撃力が高そうなめちゃくちゃ長いゴテゴテのネイルで、目を見開いてひざ下まである髪を振り乱し、振り回す。ちゃんみならしい挑発的な表情はもちろん、おどけるような表情や仕草も多い。今までさんざん突きつけられてきた「No」に対して、ユーモアたっぷりに「お前らからのNoじゃ死ななかった私は」と歌い上げるちゃんみなはあまりに魅力的でかっこいい。 曲の中では、「いつまでも泣いてらんないから」と、立ち上がった様子が綴られているが、数々の否定を受け、誹謗中傷を浴びてきたその傷や痛みは計り知れない。この曲が生まれた背景には、ちゃんみなの血がにじむような戦いやもがき苦しむ過程があったに違いない。 過去のインタビューでも、「『でも死んでないじゃん』って言うけど、『死んだんだよ』って言いたいです。私が君たちの言葉を見て、どう感じて、どういう生活を送ってきたのか彼らには見せていないから。もちろん分かってないと思いますけど、死んだような生活を送っていたのは確かなことなので」(『FNMNL』【インタビュー】ちゃんみな『美人』|「私は4年前に一度死んだ」)と語っている。 それでも、『NG』のリリックやMVには悲壮感が一切ない。ちゃんみなの表情は時にコミカルで、挑発的な表情はハッとするほどカッコいい。彼女は、過去の痛みや悔しさを、作品に100%昇華しているのだ。
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