シュウメイギクどっちがお好み?和風な美しさの清楚系&可憐な美しさのキュート系
秋の花として、長年愛され続けてきたシュウメイギク。じつは、草丈の異なる2つのタイプがあることをご存じですか? 「個性を知って使い分けると、より楽しみ方が広がりますよ」と話すのは、育種も手がける佐藤尚史さん。園芸店には、ちょうど開花株が並ぶ季節。シュウメイギクの魅力を紹介します。『趣味の園芸』9月号より、一部を抜粋してお届け。 みんなのシュウメイギクの写真
秋の風になびくやさしく可憐な花 シュウメイギク
シュウメイギクは、草丈が1m以上になる高性種と、30~80cmほどの矮性種に大きく分かれます。秋の風に揺れる背の高い姿を思い浮かべる方も多いかと思いますが、 「じつは園芸店に並ぶ8割が矮性種なんです。矮性種はコンパクトな庭が多い日本人の生活環境や生活スタイル、趣味嗜好に合わせて改良が進みました。一方、ナチュラルな魅力をもつ高性種は、近年のナチュラリスティック・ガーデンの流行で、イギリスやフランスでの人気も高まっています」と佐藤さん。 どちらも暑さ寒さに強くて、可憐な姿にもかかわらずとても丈夫。最低限のコツさえ押さえれば、毎年株がふえて、秋にはきれいな花を咲かせてくれます。ご自分の庭の環境や楽しみ方に合わせて、秋の庭をすてきに彩ってみましょう。
高性種と矮性種 個性の違いを知ろう!
高性種と矮性種は、草丈だけでなく、性質や開花期、花色や形などもそれぞれ異なります。個性の違いを知って、あなたのお庭に合うお気に入りを見つけましょう。
清楚系《高性種の特徴》 ・草丈90~120cm、株張り50~60cmでガーデン向き ・開花期は9月下旬~10月 ・品種名なしで出回ることが多い ・楚々とした和風の美しさ ・風に揺らいで、自然を感じさせる ・葉が大きめで、丸葉が多い キュート系《矮性種の特徴》 ・草丈30~80cmで狭い庭や鉢植えにも向く ・開花期は高性種より少し早い9月上旬~10月上旬 ・品種名つきで出回ることが多く、入手も簡単 ・水切れに比較的強く、初心者にもおすすめ ・品種改良が盛んで、選択肢が多い ・花つきがよく、ボリュームが出る 9月号では、シュウメイギクを美しく咲かせる栽培のコツや、草丈や性質を生かした楽しみ方などを紹介しています。 教えてくれた人/佐藤尚史(さとう・ひさし) 育種家 岐阜県郡上市のナーセリーの2代目。2001年より家業を手伝う形でクリスマスローズとシュウメイギクの生産・育種を開始。自宅庭では、子どものころから見ている白花一重のシュウメイギクが、30年以上咲き続けている。 ●『趣味の園芸』2024年9月号 「清楚に? キュートに? どっちで楽しむシュウメイギク」より