【レパードS】全15回で鹿毛が8勝、白毛が1戦1勝 夏の3歳ダート王決定戦を「記録」で振り返る
ダートでも芝でも重賞を制したハヤヤッコ
調教師別で見ると、レパードSで複数回勝利をあげている調教師は不在。東西では美浦が6勝、栗東が9勝とやや拮抗している。美浦組は1、2番人気が計3勝で、7、10、11番人気が各1勝と人気薄の活躍が目立つ。 対して栗東組は1番人気4勝で2番人気が2勝。二桁人気馬の勝利はない。ちなみに、上述した単勝66.3倍(11番人気)のローズプリンスダムも美浦の畠山吉宏厩舎の管理馬だった。 騎手別を見ても複数勝利は戸崎圭太騎手だけ。2014年にアジアエクスプレス、2016年にグレンツェントで勝利をあげている。このほか武豊騎手や岩田康誠騎手らが1勝しているが、C.ルメール騎手は2度の参戦で3着が最高。実績ある騎手の苦戦も目立つ。 M.デムーロ騎手は4戦して7着が最高で、横山典弘騎手は2戦していずれも二桁着順。川田将雅騎手も2着が2回あるが、1番人気が3頭に3番人気が2頭というラインナップで未勝利となっている。 最後に毛色を見ていくと、馬券圏内45頭のうち鹿毛が16頭で最多。栗毛と黒鹿毛の10頭を大きく引き離している。全15頭の勝ち馬で見ると傾向はより顕著で、鹿毛が8勝と過半数を占める。複数回勝利を挙げているのは栗毛と芦毛で各2勝、その他は1勝止まりだから鹿毛は圧倒的だ。 鹿毛は91頭が出走と出走回数も最多。一方、過去に1頭のみが出走してその1頭が勝利を挙げている毛色がある。2019年の勝ち馬、白毛のハヤヤッコである。 母マシュマロ、祖母シラユキヒメという白毛一族の活躍馬。2歳の夏に芝で勝ち上がり、秋からダートに転じるとダート6戦目のレパードSで重賞初制覇を成し遂げた。 その後も毎年ダートのOPクラスでは勝利を挙げながら、重賞では一歩届かない戦歴が続いていたが、6歳になった2022年に再び芝へ路線変更。初戦の日経賞で5着と好走すると、3戦目の函館記念で実に3年ぶりとなる重賞2勝目。芝では初の重賞勝利を掴んだ。 3歳馬限定のダート重賞だけあって、ここからの進路は様々。トランセンドのように世界の舞台で活躍する馬もいれば、ハヤヤッコのように芝で活躍する馬もいる。今年参戦する素質馬たちの明るい未来が楽しみでならない。 ライタープロフィール 緒方きしん 競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。
緒方きしん