旅行先や自宅での対策は? 殺虫剤の効かない「スーパートコジラミ」も…国内で相談件数急増 「旅行者が運ぶケースが多い」
寝ている時などに人の血を吸う、やっかいな「トコジラミ」。 そのトコジラミを先日、首都圏を走る電車内で見つけたとの投稿が発信され、話題になっています。 暖かくなるとさらに増えるとされるトコジラミ。どう対処すればいいのでしょうか?
相談件数が急増…殺虫剤の効かない「スーパートコジラミ」も
「トコジラミ」とは体長5mmほどの昆虫で、カメムシの一種です。明るい昼間は隙間に隠れ、暗くなった夜に活発になり、栄養源である人間や動物の血液を吸います。 メスは1日に2~5個、生涯で数百個の卵を生み、気温が20度を超えるようになると活動が活発になるということです。 刺されると強烈なかゆみをともなう「害虫」です。 最近は、従来の殺虫剤(ピレスロイド系)が効かない「スーパートコジラミ」も確認されているということです。 大阪府ではトコジラミの相談件数が増えており、「一般社団法人 大阪府ペストコントロール協会」によると、2008年にわずか6件だった相談件数は15年後の2023年には「326件」と約50倍に増加しているといいます。
兵庫医科大学の夏秋優(なつあき まさる)教授によると、海外からの旅行者が持ち込んでしまうケースが多いということです。 旅行先での対策として、衣類・カバン・トランクなどは全て袋に入れて入り口付近に置いたり、照明を付けたバスルームに荷物類を置いておくことでトコジラミが付きにくくなるということです。
トコジラミが潜んでいる場所は?
トコジラミはすき間や角などを好むということで、室内のどこにいても不思議ではありません。 特に注意すべき場所は、「ベッドとマットレスのすき間」「重なった衣服のすき間」「ソファーのすき間」「カーペットの裏」「かかっているポスターの裏」などです。
かゆみや血糞はあるのに…トコジラミが見当たらない時は?
トコジラミの「血糞(けっぷん)」という黒い斑点や、かゆみがあるのに、姿が見えない時は「うそ寝作戦」が有効ということです。 明るい昼間は潜んでいるので、肌を露出させて寝室を消灯し、30分後に点灯すると、血を吸おうとしてやってきたトコジラミを発見することができるということです。
トコジラミらしき虫を見つけた際には早急に対策が必要です。 兵庫県の駆除業者「トータルクリーン」によると、つぶしてしまうとトコジラミであるかどうかの確認ができなくなるので、テープなどに貼ってサンプルをとり、駆除業者や専門家に意見を求めてほしいということです。