関西で相次ぎ感染報告 感染力“最強クラス”「はしか」対策 あなたは何回ワクチン接種した?
2月以降、関西で「はしか」の感染報告が相次いでいます。感染力が非常に強く、重症化することもあるとのことで、専門家に対策を聞きました。
長引く咳に39℃を超える高熱。そして、全身に赤い発疹が広がる症状を見せるのが「麻疹」、いわゆる「はしか」です。 潜伏期間は最大で3週間ほどと言われていて、海外からの観光客が増えたことなどの影響で、2019年に流行しました。
関西で感染確認が相次ぐ
その「はしか」への感染が確認されたのは、2月24日、アラブ首長国連邦から関西空港に帰国した、東大阪市に住む20代の男性でした。大阪府は、男性が第一ターミナルのトイレを利用後、南海電鉄で「りんくうタウン駅」まで移動したことなど帰国後の行動経路を公表しました。 また、奈良市で感染確認された20代の外国籍の男性。19日にJRを利用して京都から奈良に行き、その後21日まで奈良市内に滞在していて、不特定多数の人と接触した可能性があります。
感染力は「最強レベル」
「はしか」の大きな特徴は、感染力の強さです。空気感染するので、距離をとっていても同じ空間にいれば、感染する可能性があります。また、新幹線の同じ車両に乗り合わせただけで感染してしまったという例もあります。 はしかの基本再生産数(感染者1人あたり何人に移してしまうか)は、12~18人。新型コロナの2~3人を大きく上回る数値となっています。さらに、命に関わる危険な合併症(脳炎など、1000人に1人)を起こす場合もあります。
はしかの対策は「ワクチンを2回接種」
対策について、大阪大学医学部・忽那賢志教授に聞きました。忽那教授は、「ワクチンを2回接種するしかない」と話します。 厚生労働省は2006年度以降、ワクチンの2回接種(「1歳」と「小学校入学前の1年間」)を制度化しました。しかし、新型コロナの流行以降にワクチン接種率が減少傾向になっています。 2020年度 94.7% 2021年度 93.8% 2022年度 92.4% これについて、忽那教授は「接種率が95%を超えていないと、はやりにくい状況にならない」と語ります。集団免疫をつくるには95%が基準となるということで、接種率を上げていく必要があります。