左肩亜脱臼で強行出場の大谷翔平、4打席目まで快音なし…走塁、打席内で痛々しい姿も
◆米大リーグ ワールドシリーズ第3戦 ヤンキース―ドジャース(28日、米ニューヨーク州ニューヨーク=ヤンキースタジアム) 【写真】走塁中も手は胸に…痛々しい姿 ドジャース・大谷翔平投手(30)が28日(日本時間29日)、2勝0敗で迎えたワールドシリーズ第3戦の敵地・ヤンキース戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、4点をリードした7回先頭の4打席目は、5番手左腕のT・ヒルと対戦し、三邪飛に倒れた。 先発右腕・シュミットと対戦した初回先頭の1打席目は、4球連続ボール。1度もスイングせず四球を選んで出塁した。塁に出てからは左肩を固定するように、左肘を曲げて左手でユニホームのつかむようにしていた。1死一塁からフリーマンの右翼への2ランで、ユニホームを左手でつかんだままゆっくりと走って、先取点となるホームを踏んだ。フリーマンは3戦連発で、ブレーブス時代の21年からワールドシリーズ5試合連続本塁打となった。 2点をリードした3回無死一塁の2打席目は4球目で初めてスイングし空振り。5球目をはじき返して二ゴロに倒れたが、打球速度は103・9マイル(約167・2キロ)と強い当たりで、走者を二塁に進め、ベッツの右前適時打につなげた。3点をリードした4回1死一、二塁の3打席目はポストシーズン含めて13打数2安打の打率1割5分4厘と苦しめられていた3番手左腕・コルテスと対戦し、フルカウントから空振り三振に倒れた。初球のファウルでは、天を見上げて表情をゆがめ、痛みをこらえているようにも見えた。 大谷は26日(同27日)の本拠地での第2戦で左肩を負傷。7回の4打席目に四球を選んで出塁し、二盗を試みた際に左手をつきながら右足からスライディングすると、タッチアウトになったまましばらく立ち上がれず、仰向けになるようにして苦悶(くもん)の表情を見せた。トレーナーに支えられるようにしてそのままベンチ裏に下がって、その後ベンチに戻ることはなく、試合終了2分後には私服に着替えて球場を離れた。試合後にロバーツ監督は左肩亜脱臼だったと発表した。 精密検査などを行っていた影響でチームのチャーター機には同乗せずに別便でロサンゼルスからニューヨークに移動。全体練習には参加しなかったが、遅れて球場入りし、個別で状態を確認していた。試合前のセレモニーでは、スタメン出場選手では唯一ジャケットを着用し、敵地ファンのブーイングを浴びながらグラウンドに登場。左肩には黒のサポーターのようなものも確認された。状態が万全でないことは間違いないが、頂点まではあと2勝。休養日はたった1日だったがスタメンに名を連ね、強行出場に踏み切った。 大谷が3打席目に立つ前の4回表開始時に現地放送のインタビューに応じたロバーツ監督は「彼は打席に入るだけで存在感は大きい。とても頑張っていて、ベストな状態ではないが、翔平がどれだけの状態であっても、ほとんどの他の選手よりも彼はいい。彼がプレーしていることを評価したい」と話していた。
報知新聞社