移転によりさらに進化した「麻布台 中むら」店主が心からリスペクトする行きつけとは?
「素材から本当に妥協なく、仕入れのために全国を旅する人」と中村氏が話すように、定期的に全国の漁港をめぐり、漁師や仲卸とのつながりを大切に、うまいと納得する味を求め続ける店主。「生魚の独特なにおいは微塵もなく、魚の温度帯、季節や個体に合わせた仕込みなど、すべてが薦められる店。大将に身を預けて楽しんでいただきたいですね」(中村氏)
大きく厚いネタを支えるのは、理想の米を探し続ける店主が出会った甘みとうまみのある米。甘みとのバランスを考えたほどよい酸味の赤シャリが、寝かせた魚や力強いマグロの味を受け止める。
中村氏は「お腹いっぱい食べても調子がよく、翌日も気分爽快でいられる料理」を提供することを何より大切にする料理人だが、「鮨 猪股」の握りもまさにそこに重なる。 ・おまかせコース、日本酒 予算:40,000円台
鮨 猪股
住所: 埼玉県川口市幸町1-12-23 サンリーブ幸町コートハウス TEL: 048-211-4175
ランチのおすすめ①レストラン香味屋(かみや)
「下町にあるちょっとぜいたくな洋食屋さんです」と、ランチ1軒目に挙げてくれたのは、入谷駅から徒歩5分、1925(大正14)年創業の洋食店「レストラン香味屋」だ。「おふくろの実家が『香味屋』さんのすぐ近くの下谷で、お墓参りのときにも行きますし、2カ月に1度は行っています」と中村氏。
花柳界でにぎわっていた根岸に輸入雑貨店として創業し、芸者衆のリクエストで軽食を出すようになり、後に本格的な洋食レストランに。商売を営む客が通常のランチタイムから外れた時間に訪れることが多かった名残で、ランチ、ディナーの区別なくどの時間に訪れても通常メニューが味わえる。
「昔ながらのデミグラスソースで作るビーフシチューやベシャメルソースを使ったメニューなど、若い頃に帝国ホテルで作っていたような料理が多く、とても懐かしい味。食後に体が重くならない料理も多いですね」と中村氏。
「どこに行っても、いつもすごい量をたのみます」と話す中村氏が必ずオーダーするのは、オニオングラタンスープ。奥様ともどもハヤシライスもお気に入りで、ビーフシチュー、海老マカロニグラタン、カニコロッケなど、アラカルトで多彩なメニューを楽しんでいるという。 ・オニオングラタンスープ、ハヤシライス 予算:~5,000円