移転によりさらに進化した「麻布台 中むら」店主が心からリスペクトする行きつけとは?
おでんは、とろろ昆布が添えられた大根、牛すじ、鰯のつみれなどの定番や試作の末にたどりついた半熟玉子、夏は冷製トマトやもろこし薩摩揚げなども登場。日本酒などを合わせつつ、通年訪れたくなる店である。 「ここはおでん屋さんというよりは割烹屋さん。アラカルトが豊富なので、いろいろ頼んでいただきたい一軒です」(中村氏)
メニューに「うなぎ蒲焼き 関西風」「黒毛和牛サーロイン」「太刀魚塩焼」が並ぶなど、店主は炭の扱いにも長けている。ちなみに中村氏が、麻布台の店の炉窯で使う紀州備長炭を入手できずに困っていたとき、一級品の仕入先につないでくれたのも「恵さき」の大将なのだそう。
なんでも言い合える間柄の中村氏がコース料理を作っては?と提案しても、「俺たちみたいな板前は、一品料理で同時にいろいろなことができなゃダメなんだよ」と、どこまでもアラカルトを貫く。「長く生き残るべき、しっかりした知識と技術をもっている職人の店です」(中村氏) ・おでん各種、一品料理 予算:~10,000円
神楽坂 恵さき
住所: 東京都新宿区神楽坂3-6 佐藤ビル 1F TEL: 03-5228-2971
ディナーのおすすめ②鮨 猪股
ディナーの2軒目は、埼玉は川口からその名をとどろかせる寿司の名店「鮨 猪股」。「The Tabelog Award」常連店で、東京・大阪はもとよりはるばる海外から訪れる客も多い。「僕が生まれ育った足立区は川口市も近く、どんなところか知っているだけに、この場所でこれだけ成功するとは本当にすごいこと」と中村氏も絶賛する。
川口駅から徒歩10分、こんな所に寿司店が?と思うような集合住宅の1階に「鮨 猪俣」はある。席はカウンター9席、メニューはおまかせ握りのコースのみ。つまみはなく、握り一本勝負の店である。「奥様と大将がいつも温かく迎えてくださり雰囲気がとても良いのです。とにかくコースの組み立てが秀逸で、食後感がクリア。お代わり可能な日は何貫でもいけるほどです」と中村氏。