“5億円レース”の覇者がスプリンターズS参戦 天国の父にJRA・GIタイトル届けるか
父に初のJRA・GIタイトルを届けるか。ディスクリートキャット産駒のオオバンブルマイ(牡4、栗東・吉村圭司厩舎)がスプリンターズステークス(3歳上・GI・芝1200m)に参戦する。 【写真】オオバンブルマイこれまでの軌跡 オオバンブルマイは父ディスクリートキャット、母ピンクガーベラ、母の父ディープインパクトの血統。母は未勝利だが、そのきょうだいにはブランボヌール、ビアンフェ、エントシャイデンなどの活躍馬が並ぶ。 ここまで9戦4勝。2歳時に京王杯2歳S、3歳時にアーリントンCを制覇。NHKマイルCは惜しくも3着だったが、世代トップレベルのマイラーとして活躍した。そして秋には1着賞金が約5億円で話題を集める豪州のゴールデンイーグルに参戦。中団から鮮やかなイン差しを決めて、快挙達成となった。その後は海外GIで2戦続けて2桁着順に終わったものの、前走のキーンランドCが復調を示す3着。初の1200mがカギだったが、4角最後方から鋭く伸びて、距離適性を証明した。再度のスプリント戦となる今回はメンバーも強くなるが、展開一つで十分にチャンスがあるはずだ。 父のディスクリートキャットは06年のUAEダービーの覇者。種牡馬としては米国繋養時に13年の米G1デルマーオークスを制したディスクリートマーク(Discreet Marq)、15年の根岸S覇者のエアハリファなどを送り出した。そして17年に日本に輸入されて以降もオオバンブルマイ、さらには今年の小倉2歳Sを制したエイシンワンドを輩出。しかし、JRAのGIに限ると延べ4頭が出走して、昨年のNHKマイルCのオオバンブルマイの3着が最高着順となっている。 オオバンブルマイは現役に63頭いるディスクリートキャット産駒の大将格。昨年5月に急逝した天国の父に、GI制覇の吉報を届けることを期待したい。