民間ロケットのカイロス2号機、まもなく打ち上げ 爆発炎上で失敗した初号機の汚名返上へ
宇宙事業会社スペースワンが開発中の小型固体燃料ロケット「カイロス」2号機が、14日午前11時、和歌山県串本町のロケット発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げられる。カイロスは初号機が今年3月、発射直後に爆発炎上して打ち上げに失敗しており、今回は汚名返上を目指す。 初号機は、打ち上げから約5秒後に機体の自律飛行安全システムが異常を検知し、安全飛行は困難と自動的に判断して機体を爆破した。 同社が原因を調べた結果、システムに設定されていた、正常な飛行に必要な上昇速度の範囲が不適切に高かったことが判明。打ち上げ直後の上昇速度が範囲を下回ったため、システムが安全飛行は困難と判断し、機体を爆破したと結論づけた。固体燃料やエンジンに問題はなかったという。 そのため2号機は、システムの設定値を見直して適切な範囲に修正し、打ち上げに臨む。豊田正和社長は打ち上げに先立って開いた記者会見で、「初号機の経験を通じ、システム全体の飛躍的改善ができた。全身全霊を尽くし、2号機の成功を目指す」と話した。 2号機は、小型衛星を5基搭載し、打ち上げの約53分後から順次、高度約500キロの太陽同期軌道に投入する。成功すれば、民間単独では国内初の衛星投入となり、日本の宇宙開発は新たな時代の扉を開くことになる。