「21世紀のゴジラ」トランプは、中国を踏み潰すなら「中国の失敗」に学べ!
まだドナルド・トランプ政権が始まったわけでもないのに、再び世は、トランプ一色になってきた――。 【画像】「日本のどこがダメなのか?」に対する中国ネット民の驚きの回答 1期目のトランプ政権(2017年1月20日~2021年1月19日)の時代、アメリカではメディア業界に対して、「トランプの皮肉」ということが言われた。ニューヨークタイムズ、ニューズウィーク、CNN……アメリカの大手既存メディアは、トランプの悪口を連日掲載し、放映しまくった。だがそれによって、大いに部数を伸ばし、視聴率を伸ばしたのだ。
世界中が「トランプ一色」になった
それは、太平洋の彼方にある島国で、中国ウォッチャーをしている私も同様だった。当時は、いま原稿を書いている「現代ビジネス」の他にも、何かの執筆やテレビの討論番組などに、頻繁にお声がかかるようになった。テーマはいつでも、「トランプの動きを中国はどう見ているか」。早い話が、私も「トランプ効果」の一端の一端にあやかったのだ。 そのため当時は毎朝、目を覚ますとベッドの脇に置いたスマホをまさぐり、トランプ大統領のツイッター(現「X」)を確認することから、一日を始めていた。いつも同じような発言をしている習近平主席と違って、トランプ大統領の言動をフォローするのは、一苦労だった。 2021年の年初にジョー・バイデン政権に代わると、再び穏やかな日々が戻ってきた。翌2022年2月にウクライナ戦争が勃発すると、知人のロシア・ウォッチャーたちは「戦争状態」になったが、中国ウォッチャーは平穏だった。たまにテレビの討論番組に呼ばれても、おしまいの方で、「ところで中国はどう見ていますか?」と司会者に振られるだけなので、気楽なものだった。 それが日本時間の11月6日以降、つまりはトランプ再選が決まって以降、再び「嵐の日々」が始まりつつある。次期国務長官に指名されたマルコ・ルビオ上院議員、次期安保担当大統領補佐官に指名されたマイク・ウォルツ下院議員……2期目のトランプ政権の陣容は、先週のこのコラムでも詳述したように、「敵は中国にあり!」と主張する筋金入りの対中強硬派ばかりだ。 ついには今朝方、トランプの夢を見てしまった。フロリダ州にあるトランプの別荘「マー・ア・ラゴ」の大広間に、トランプと客人たちが雑魚寝していて、なぜかその中に、私も交じっていた。 暁(あかつき)にトランプが目を覚まし、むくっと起き上がった。私も目を覚まして、暗がりの中、近くに寄って行って聞いた。「あなたは中国をどう思っているのですか?」 すると、寝ぼけ眼のトランプが答えた。「オレは別に、中国が嫌いなわけじゃない。中国を利用して儲けたいんだ。実際、アメリカ人は昔から、中国で儲けてきたではないか」 近くで見るトランプは、意外に好好爺(こうこうや)だな……そう思ったところで、目が覚めた。そして、この原稿を書いている。