海の森、カヌー会場は7割完成 東京五輪施設を報道公開
工事の進ちょく率は55%(1月末時点)。なお、同センターでは昨年11月、油圧機器メーカーKYBの検査データ改ざんに伴い、国の認定基準に適合しない可能性のある免震・制振装置が各16本使用されていることが明らかになった。都は必要に応じて交換、再設置などの対応を行う方針だが、工期に支障のないよう進めるとし、完成予定は2020年2月のままとする。費用はKYBが負担するため、整備費も従来の約567億円に変更はない。
●海の森水上競技場
海の森水上競技場(東京都江東区青海)は、五輪とパラリンピックのボート競技とカヌー競技のスプリントの会場となる。競技コースの長さは2000メートルで、8レーンある。 会場は東京湾の埋め立て地の水路に設置。そのままでは波や潮の干満の影響を受けるため、水路の東西に締め切り堤を設けて遮り、水位を保つ計画だ。
前回時点では、ゴール地点にあるフィニッシュタワーの骨格が組まれている最中で、艇庫棟やグランドスタンド棟を含め建設中だったが、現在は、これら3棟の建物がいずれも外装工事をほぼ終え、内装工事が行われている。このほか、水門や消波装置の工事も進められている。 工事の進ちょく率は77%(1月末時点)で、今年5月完成予定。整備費は約308億円。
●有明アリーナ
有明アリーナ(東京都江東区有明)は、五輪のバレーボール、パラリンピックの車いすバスケットボールが行われる。 前回時点で、メインアリーナとサブアリーナの基礎工事や躯体工事が行われていたが、現在は躯体工事のほか、内外装工事が行われている。メインアリーナの屋根については、屋根全体をいくつかのブロックに分けて組み立てる工事が佳境を迎えており、3月中にも全ブロックを設置し終える。
工事の進ちょく率は約51%(1月末時点)で、今年12月完成予定。整備費は会場アクセスの改善などを目的に約357億円から、今年1月に約370億円へ引き上げられた。
●有明体操競技場
有明体操競技場(東京都江東区有明)は、五輪の体操や新体操、トランポリン、そしてパラリンピックのボッチャが行われる。 都は昨年11月に建設現場を報道公開したが、その時点では、巨大なアーチ型木造屋根の梁(はり)部分を地上からつり上げる作業が行われていた。完成すると屋根の幅は約88.8メートルにも及ぶ。工事は梁部分を5つのユニットに分け、それぞれリフトアップしていく工法で、この日の時点で1ユニットを残すのみとなっている。