うちの凸凹―外科医と発達障害の3人姉弟――「できない・苦手」の原因は何か?道具選びで「解像度」を上げる
こんにちは。外科医ちっちです。 うちの3人の子どもは、全員が自閉スペクトラム症の診断を受けており、いくつかの困りごとを抱えています。一緒に生活するうえで、「こんな発想でこんなことをしてしまうのか」と驚かされることもあれば、「こうとしか考えられないのか」と辛い思いをすることもあります。この連載では、軽度の発達障害のわが子の日常や、子育ての様子を徒然なるままに綴ります。世の中にはこんな「変わっている子」「変わっている人」もいることを、いろいろな方に広く知ってもらい、お互いの日常生活が少しでも楽で、楽しいものになると嬉しいです。今日のテーマは「道具を介して『できない・苦手』の解像度を上げる」ことです。
違う状況・方法を試すからこそ、細かく分かる
数検の過去問で、小3の次男は大問1(学年相当の四則演算が10問ちょっと)の計算を苦手にしています。 そこで、試しに「まほら学習帳」(合理的配慮に対応した学習帳/大栗紙工)1ページにつき1~2問だけにしてみると、間違えた問題を出すとスラスラ解けました。
小さな数字を読んだり、小さな空き枠に書いたりすることが間違えてしまう原因だと本人は言語化ができないものの、普段の過去問の解き方と違う状況を準備することで、親側の理解が進みました。 子どもの困りごとに対して、細かい原因が絞れるのは本当に大事なことです。 親も子も時間・体力は有限で、無駄なことは避けたいです。特に苦手なこと・嫌いなこととしてイメージが定着してしまうと単純な労力以上に取り組む時に消耗してしまうようになります。消耗を防ぐために一番簡単なのは、取り組まないことですが、タスクによってはその選択肢を選べません。なので、普段から「子どもたちは、どの道具を使ったら楽にできるのか?」は、頻繁に考えています。 大きく数字を書いた時の正答率から考えると、次男は「四則演算の原則自体は理解している」みたいだから、計算の練習時間は少なめで良さそうと分かりました。