うちの凸凹―外科医と発達障害の3人姉弟――「できない・苦手」の原因は何か?道具選びで「解像度」を上げる
「とにかく問題を解かせる」が逆効果を生むリスク
苦手なこと、できないことに対する『配慮や支援』には、どうしても「施す」「労力がかかる」イメージが伴うことがあります。でも、実際には ・何ができて、何ができないのか? ・どういう道具・環境なら、(独力で)できるのか? を分かりやすくして、どの部分には介入が必要ないのか? どういう介入は無駄なのか? の解像度を上げてくれる側面があります。 こういう介入なしだと、「とにかくたくさん問題を解かせよう」が一つの案として出るかもしれません。しかし、次男が解けない理由は、字の読み書きの影響が大きいので、たくさん解かせると多分疲労のために正答率は逆に落ちます。
計算に関して何度教えても「口頭では伝わるし、正解を答えられるが、プリントだと解けない」が続くことになります。次男にとっては苦手なことを繰り返させられるイメージと計算が結びついてしまう危険もあります。 繰り返しになりますが、大人側も、子ども側も時間と体力には限界があります。だからこそ、「どう使うか?」は突き詰めて考える必要があります。 学校との話し合いで、「忙しいから対応はできません」と言われることがあるけれど、実際には「忙しいからこそ、診断を問わず全ての子にお互いの労力が減る・理解が進む介入は全部やります」になってほしいと思います。 そうしないと、子どもはずっと「解像度の低い『できない』状態」になりやすく、大人側は無駄な部分に介入することになるからです。 時間がないし労力も割けないなら、道具の選択肢の幅を広くして「大人から見て変わった子が、道具が違うことでどう反応を示すか?」を観察して、一番合う方法で過ごせるようにすることが関係者全員の時間と体力を省略できて楽になります。 例えば、テストが解けない場合に見直す道具としては ・問題用紙、計算用紙 ・筆記具 ・机、椅子 ・イヤマフなどの感覚過敏への対策グッズ 等があり得ます。