「乳液とクリーム」の違いと正しい使い分け方は?皮膚科医が効果を上げる使用法を解説
これからの季節、乾燥肌の救世主となるのが乳液とクリームです。どちらも油分を多く含む保湿剤ですが、どんな違いがあるかご存じでしょうか? ここでは皮膚科医の小林智子先生が「乳液とクリーム」の違いと使い分け方を詳しく教えてくれました。 【写真】保湿クリームの成分量
紫外線ダメージが蓄積し、肌がゆらぐことも…
秋、肌の調子がイマイチと感じていませんか? それは、季節による肌の「ゆらぎ」の現れかも。 「夏に浴びた紫外線の影響で、肌にはダメージが蓄積されています。紫外線は、肌の炎症を引き起こす活性酸素を発生させる元凶。活性酸素によって肌表面のバリア機能が低下し、外的刺激を受けやすくなっています。暑さが一段落した10月頃は、紫外線量は少なくなるものの寒暖差が激しいため、空気が乾燥する冬よりも外的刺激を受け、肌が揺らぎやすいのです」(皮膚科医・小林智子先生、以下同) もともと敏感肌傾向の人ほど、肌の「ゆらぎ」が顕著に出るのだとか。そんなときに注目したいのが、乳液やクリームの保湿剤です。 「保湿というと化粧水を思い浮かべる人も多いですが、外気が乾燥し、皮脂の分泌量が減る秋冬こそ乳液やクリームに注目を。『肌が不調だな…』と思うときほど上手に取り入れてみましょう」
夏にこんな過ごし方をした人は要注意
紫外線やエアコンを浴びたり、汗をふいて日やけ止めが落ちたりした結果、肌のダメージが進んでいることも。 <この項目に当てはまったら肌ダメージに注意> ・冷房の効いた部屋にずっといた ・汗をたくさんかいた ・外に出る機会が多かった ・UVケアが不十分だった
保湿成分は種類で役割が分かれる
乳液やクリームに含まれる保湿成分には大きく2つの役割が。 「1つが水分を与えて保持する『ヒューメクタント/エモリエント』で、おもにヒアルロン酸、コラーゲンが役割を担います。もう1つが水分蒸発を防ぐ『オクルーシブ』。これはおもに油分を指し、スクワランなどがあります。乳液とクリーム、どちらにも各成分が含まれますが、配合はメーカーで違います」
●夏終わりの肌に与えたい注目成分3つ
【セラミド】 角層内に存在する細胞間脂質のひとつ。高い保湿効果があり、水分を引き寄せて肌本来のバリアを高める働きが。 【ナイアシンアミド】 ビタミンB群の一種で、水溶性の成分。セラミドなどの細胞間脂質の産生を助けることで、バリア機能を高めます。 【トラネキサム酸】 抗炎症作用があり、シミ予防にも効果的。ビタミンCよりも刺激が少なく、夏終わりのダメージケアにおすすめ。