マリーゴールドの大器・後藤智香 プロレスデビューから3カ月
【WEEKEND女子プロレス#25】
大注目の旗揚げ戦から3カ月、ジュリアの海外挑戦が早くも決定するなど、この段階からすでに大きな動きを見せているマリーゴールド。そんな状況下で大きな期待を寄せられているのが、長身と華麗なルックスを武器とする“tWintoWer(ツインタワー)”天麗皇希&後藤智香のタッグチームだろう。 【写真ギャラリー】マリーゴールドの大器・後藤智香 この新団体は、大きく分けてスターダム退団組と元アクトレスガールズ勢でスタートした。マリーゴールドに闘いの場を求めたアクトレス勢も、プロレス復帰組とプロレスデビュー組に分かれている。青野未来、翔月なつみ、松井珠紗、(試合数こそ少ないがCHIAKIもここに含まれる)がプロレスカムバックなら、天麗と後藤は旗揚げ戦がプロレスデビューにもなっていたのだ。両者はプロレス団体としての活動を終えた後のアクトレスガールズに入門。プロレスではない、リングを用いたエンターテインメントでプロレス要素を含むパフォーマンスをおこなっていたのだが、アクトレスを退団し、プロレスラーとしての道を歩み始めたのである。 本欄でフィーチャーする後藤は、幼少時代からアイドルにあこがれ、「テレビの中に入りたい」との夢を抱いていた。が、夢は夢のままで一歩踏み出せず、具体的な行動を起こせないまま高校を卒業。それでもウェディングプランナーや介護士、美容師などやりたい職業はいくつもあった。が、友人たちが大学卒業や結婚など人生を選択していくうちに、「本当にやりたいことに挑戦したい」とかつての夢が再燃。芸能事務所のオーディションに合格し、グラビアや舞台俳優としての活動をスタートさせたのだ。 とはいえ、なかなか仕事を得ることができず、鳴かず飛ばずの日々が続いた。その頃舞台で共演したひとりに、元プロレスラーでアクトレスガールズの惡斗がいた。 「『プロレスをモチーフにした演劇なんだけど、一緒にやらない? 身長高いからできるんじゃない?』とすすめられたんですね。でも、そのとき一言めから『プロレスですか? お断りします』と断らせていただいたんですよ。その後、アクトレスの坂口(敬二)代表からも声をかけられたんですけど、『プロレスはやらないです』と断り続けました。『プロレスを用いたアクションエンターテインメントだから』と説明されても何を言ってるのかわからないし、そもそもプロレス知らないし…」 しかし、坂口代表の一言から、後藤の考えに変化が生じる。 「ずっと断っていたんですけど、『173センチの身長が絶対にリングで映えるから』と言われて、『映える』という言葉に惹かれたんですよね。『やったらスターになれる』『有名になれる』とも言われ、じゃあ1回行ってみますと、練習に参加したんです。小さい頃に水泳や少年野球、中学高校ではバレーボールをやっていたので、もともと運動は好きだったんですよね。練習では怖くてできないものがたくさんあったけど、同時に、楽しいかもと思えたんです。それが22年2月で、ちょうど新生になって初めての公演があるとのことで、新宿FACEに行きました。そこでシンプルに感動して、私もアクトレスガールズをやりたいと思ったんです」 練習を継続し、同年8月の後楽園ホールでアクトレスデビュー。しかし、当初予定されていた舞台の方ではなく、プロレス寄りのデビューの仕方だった。 「アクトレスには2本の柱があって、アクトレスリングというプロレスっぽいものと、アクトリングというお芝居でキャラクターを演じるものがあったんです。その中のアクションシーンがプロレスみたいな。団体としては、後者を軸でやりたかったはずなんです。でも、アクトリングの認知度が低くて、私はアクトレスリングの方で、役名のない、そのまま後藤智香としてデビューしたんですよね」