アレナメヒコで入場するウナギ・サヤカ

＜CMLL：アレナメヒコ大会＞◇25日◇メキシコ・メキシコシティ 　ルチャ（メキシコ式プロレス）の聖地アレナメヒコで年間最大のビッグマッチ「グランプリ」が開催され、メキシコ軍10選手、多国籍軍10選手と過去最多人数の選手たちが参加した。日本からはウナギ・サヤカ（38）と柳川澄樺（33）が参戦。トルネオ・シベルネティコ（CMLL式イリミネーションマッチ＝メキシコ軍と多国籍軍に分かれてタッグマッチの要領で戦っていき、負けた選手が退場。最後に残った2人で決勝戦が行われる）で行われたグランプリで優勝こそならなかったが鮮烈な印象を残した。 【写真】両手を広げ入場するウナギ・サヤカ 　▼トルネオ・シベルネティコ時間無制限 　（メキシコ軍）レイナ・イシス＆ダーク・シルエタ＆アマポーラ＆キラ＆スカディ＆エラ＆サネリィ＆プリンセサ・スヘイ＆セウシス＆ジュビア 　（多国籍軍）レッド・ベルネット＆ウナギ・サヤカ＆柳川澄樺＆ウィロー・ナイチンゲール＆ビバ・バン＆サマンタ・ブラック＆ラ・カタリナ＆アレックス・ウインザー＆テサ・ブランチャード＆ペルセフォネ 　◆決勝＝イシス（体固め）ベルベット 　ウナギ＆柳川の2人はメキシコ入り以来、各アレナでの大会に参加。初戦でいきなりCMLL世界タッグ王座へ挑戦し、惜しくも戴冠はならなかったが、その後は多国籍軍のチームメートと合流。メキシコ軍との対抗戦を繰り広げていた。 　この日は軍隊によるセレモニーの後、いよいよグランプリの火ぶたが切って落とされた。大観衆が詰めかけたアレナメヒコは「メヒコ」コールの大合唱。多国籍軍の入場ではウナギに歓声が起こった。このメキシコ遠征では、ウナギの人気と知名度がどんどん上がり、本来ならブーイングが起きるところを声援が半分ほど占めるという現象が起きている。 　まずは両陣営とも円陣を組み、気合を込める。ウナギはキラと対戦。コーナーでのスタナー、さらにエプロンサイドでのキックと攻め立てる。しかし、エプロンに突進されての回転エビを決められる。これで場外のフェンスに腰を強打する。 　その後、柳川とイシスへ。3回転コルバタを決めると、カカト落とし、さらには回転エビ固め。さらにコーナーからのフライングモディシザース、ドロップキックとうちこむ。 　続いて柳川とキラ。柳川はアームホイップから3回転式のエビ固めで丸め込まれるも2カウント。さらにファイヤーバードスプラッシュを狙われたが、なんとか回避。逆にコードブレーカーでたたきつける。そしてエクスプロイダーから、Glesin（グルシン＝羽根折り固めから反転してブリッジする技）を決め、キラからギブアップを奪った。20人のうち、最初の脱落者がキラとなった。 　続いては柳川とシルエタ。柳川が浴びせ蹴りを決めるとウナギも割って入り、日本人によるダブルの連携が繰り広げられる。まずは合体式ブレンバスターから、ウナギがスライディングTANAKA（田中将斗のスライディングD＝スライディング弾丸エルボーと同型）、続けて柳川がそうまとうを決める。さらにはコンテンポラリーキックを決めるも2カウント。そして1010（セントー）も決めたが惜しくも2。しかしシルエタが反撃に転じ、必殺のシルエタドライバーを食らい、柳川が4人目の退場となった。 　その後、ウナギとアマポーラ。ウナギがフェースバスター。アマポーラもスピアーで返す。エルボー合戦から、アマポーラがコーナースピアー、低空ドロップキックと攻め立てるも、ウナギがキックから、城門突破（スウィンギング・リバースSTO）、さらにはこれより我は修羅に入る（コーナー最上段から放つ開脚屈伸式のダイビング・ボディプレス）で3カウントを奪い、アマポーラを退場させた。 　その後、参加メンバーが次々と脱落していき、半分ほどの選手たちが消えていく。ここでウナギとイシスの絡みとなり、イシスが攻め立てるもウナギも拙者、蒲焼き者で候。（アーティスティックスイミング風の見得切りから放つギロチンドロップ）を繰り出すが2カウント。イシスが反撃に移り、トップロープからのボディプレスでウナギの退場となった。 　最終的にはイシスとレッド・ベルネットの2人が残り、イシスが勝利。2024年のグランプリを手にしたのはメキシコ軍のイシスとなった。 　振り返れば、ウナギ、柳川のメキシコ遠征も1週間が経過。ウナギはその実力を示しており、柳川も成長の足跡がはっきりと見える。ウナギと柳川はきっちりと、その名をメキシコに刻み込んだ。