井上尚弥戦要求のアフマダリエフに苦言 強硬態度に米重鎮アラム氏が異論「タイトルを剥奪しようとする子どもだ」
スーパーバンタム級のタイトル戦線が活発化している。 去る10月24日には、ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が、IBF&WBO同級1位のサム・グッドマン(オーストラリア)との防衛戦(12月24日に東京・有明アリーナ)を正式決定。東京ドーム興行を実現させた激動の24年を締めくくる一戦に向け、話題沸騰となった。 【画像】米記者が愕然とした井上尚弥とブルース・リーの比較画像をチェック そうした中で、結果的に後回しにされた元世界王者の動向が注目を集めた。WBA同級1位ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)だ。 井上がスーパーバンタム級での初陣を控えていた昨年4月にアフマダリエフはマーロン・タパレス(フィリピン)に判定の末に敗れ、王座から陥落。ほどなくして井上が同階級を完全統一したため、立場は逆転した。 昨年12月に実現させたケビン・ゴンザレス(メキシコ)との再起戦で8回TKO勝利。WBA1位として挑戦権を有しているアフマダリエフは井上との対戦をしきりに要求。法的措置も辞さない強硬な態度を示していた。 ただ、身勝手とも言えるウズベキスタン人戦士の挑発的な言動には批判的な声も小さくない。米メディア『Boxing Scene』は、井上の共同プロモーターを務める米大手興行『Top Rank』のボブ・アラムCEOが「WBAがイノウエから王座を剥奪するなら、敗者は2人だけだ。1人はWBA自体であり、もう1人はイノウエのタイトルを剥奪しようとしている子ども(アフマダリエフ)だ」と語ったことを伝えた。 辛辣な言葉を発した百戦錬磨の重鎮は、「もしも、私がアフマダリエフのマネージャーであるワディム(・コルニーロフ)だったら、今のようなやり方はとらない。訴訟のようなナンセンスなことはやめて、4月の試合交渉を始めることを目指すだろうね」と糾弾。敵陣営の動静をキッパリと批判した。 アラム氏による一連の発言を伝えた『Boxing Scene』は「(王座剥奪なら)アフマダリエフがイノウエと戦う場合に得られる報酬の10%しか得られない」と指摘。「アフマダリエフが今しばらく待つのではなく、早々にイノウエとの対戦を強行するようなら、自ら首を絞めることになるだろう」と断じた。 来春には米再上陸が報じられている井上の相手は、果たしてアフマダリエフとなるのか。いずれにしても、12月24日のグッドマン戦での「結果」が注目される。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]