フェラーリ296よりも高額! 4000万円を超える究極のアルピーヌA110、Rウルティムが登場
パリ・モーターショー2024でデビュー
2024年10月14日に開幕したパリ・モーターショーでアルピーヌは、新たなA110のバリエーション・モデルとして110台限定の「アルピーヌA110RUltime」(ウルティム)を発表した。 【写真23枚】パリ・モーターショー2024でお披露目された、究極を表すウルティムの名を冠したアルピーヌA110のトップモデル、A110Rウルティムの詳細画像をチェック ◆アルピーヌの技術と職人技が融合 ウルティムという名は、ルノー・スポールの最後を飾った「メガーヌR.S.ウルティム」にも使われていた。フランス語のウルティムは「最終の」とか「究極の」という意味を持つが、今回の場合は「最終の」というより、「究極の」と訳す方が相応しいと言える。というのも、A110のハイパフィーマンス・モデルであるA110RをベースにF1やWEC(世界耐久選手権)で活躍するアルピーヌ・レーシングのテクノロジーと、ビスポークを請け負うアトリエ・アルピーヌのクラフトマンシップを融合させた1台であるからだ。 ◆高オクタン価ガソリンで345psを絞り出す まずミドシップ・マウントされる1.8リッター直4DOHCターボ・エンジンは、ターボとタービンの改良により、102RONの高オクタン価ガソリンを用いた場合、6000rpmで350psの最高出力、3200rpmで420Nmの最大トルクを発生。これは既存のA110Rよりパワーで50PS、トルクで80Nm上回るもので、パワー・ウェイト・レシオは実に3.15kg/psとなる。また新たに開発されたローンチ・コントロール・システムを使用した場合の0-100km/h加速は、A110Rを0.1秒上回る3.8秒とアナウンスされている。 そのパワーとトルクに対応するために新しいDW6型デュアルクラッチ式6段自動MTトランスミッション、Akrapovic®(アクラポヴィッチ)製チタンエグゾースト・システム、オーリンズ製アジャスタブル・ダンパー、APレーシング製の330mm径バイ・マテリアル・ディスクブレーキ、ブレーキパッド、冷却ダクトなどを装着している。 ◆ダウンフォース量がさらに160kgアップ ボディにも。新デザインのフロント・スポイラー、スワンネック・ステーを持つリア・ウイング、大型のディフューザーなどエアロダイナミクスを大幅に見直したことにより、A110Rチュリニよりダウンフォース量が160kgも増加している。 脚まわりにおいてもフロント18インチ、リア19インチの専用鍛造ホイールにミシュラン製PS2カップを装着することで、コーナリングや直進安定性、加速、ブレーキングといった走行性能が全方位的に向上した公道走行可能な究極のサーキット・カーへと仕立てられている。 ◆専用のカスタマイズ・プランを設定 加えてアトリエ・アルピーヌによる多彩なカスタマイズ・メニューが用意されているのもアルピーヌA110Rウルティムの特徴の1つで、「アトリエ」と「アトリエ・シュール・ムジュール」という、2段階のパーソナライゼーション・プログラムが設定されている。 まず入門編というべき「アトリエ」では、27色の外装色とグレー、レッド、ブルー、オレンジの4色からなるアルカンターラ製の内装をセレクト可能で、ステアリング・ホイールのステッチ、ダッシュボード、ドア・トリム、センターコンソール、フロアマット、ステアリング・ホイールのセンターポイント、ドア・ストラップ、サベルト製シートをコーディネートすることができる。 ◆外装色を変更できるプランも用意 そして2段階目の「アトリエ・シュール・ムジュール」ではアルピーヌ、サベルト、ポルトローナ・フラウのデザイン・チームとの協力により、9色のアルカンターラ、10色のレザーをセレクトできるうえ、インテリア各部の刺繍、エンボス加工、レザーブレード加工もオーダーできるなど、より細かなニーズに対応可能となる。 もちろんエクステリアにおいても同様で、カーボンファイバー・ボンネット、エア・インテーク、リア・ウィンドウの代わりに用いたられているパネル、フィン、スポイラーといったエアロパーツの塗装を変更でき、世界に1台のオリジナル仕様を作り上げることもできるという。 ◆グラデーション塗装の特別モデルを15台限定で販売 そんな究極のA110というべきウルティムだが、パリ・モーターショーの会場ではさらにエクスクルーシブな15台限定のA110R Ultime La Bleue(ウルティム・ラ・ブルー)も発表されている。 その最大の特徴は、アルピーヌ・ビジョン・ブルーとアビス・ブルーと呼ばれる2種類のブルーを、グラデーションをかけるようにハンド・ペイントで塗装したエクステリアにある。このグラデーションはポルトローナ・フラウとサベルトによるブルーレザーの内装にも施され、エクステリアと見事な調和を見せているのも、アトリエ・アルピーヌならではの仕事と言えるだろう。 価格は、A110Rウルティムが26万5000ユーロ(VAT=付加価値税込、約4300万円)。さらぶ、A110Rウルティム・ラ・ブルーは33万ユーロ(VAT込、約5400万円)といったように、現在ルノー・グループの中で販売されている車両としては最も高価な1台となっている。 文=藤原よしお (ENGINE WEBオリジナル)
藤原よしお