特集「天皇皇后両陛下イギリス訪問」を振り返って~英語“初”スピーチで“笑い”も 留学中の“3枚の写真”秘話 令和流の“未来志向”とは【皇室 a Moment】
■「未来志向」――若い世代の交流の背中を押す“令和流”
今回のご訪問に同行したイギリスのロングボトム駐日大使は、NNNの単独インタビューで晩さん会の陛下の2つの言葉に感激したと話しています。 英・ロングボトム駐日大使) 「“未来志向”、未来志向のパートナーシップです。陛下はまた、“かけがえのない友人”、かけがえのないパートナー、とも述べられました。その言葉を聞いて、とても感動しました。この言葉が、今後さらに強い日英関係を築くために私たち全員が行っている活動の大きな支えになることを願っています」 “未来志向”という指摘は確かに重要なキーワードだと思いました。そして、両陛下が大事にされるもう一つの“視点”が、旅を終えた「ご感想」からうかがえます。 (天皇皇后両陛下の感想 英国ご訪問を終えて) 「若い世代の人々が、今後もお互いの国に対する関心を深め、両国の相互理解と友好親善に大きな役割を果たしていくことを期待しています」
去年のインドネシア訪問もそうでしたが、今回のイギリス訪問でも、両陛下は行く先々で意識して若い人たちと触れ合われました。 今回のイギリス訪問を通して、友好の担い手となる若い世代の背中をそっと押される“令和のやり方”がはっきり見えてきたように思います。 皇后さまには体調を整えながらの旅でしたが、新しいページを開き、長く記憶される訪問だったと思います。 ――今回の訪問、陛下もチャールズ国王もお互いのスピーチや行動の一つひとつから、リスペクトしているというのが伝わってきましたし、長い年月を経ているからこその“絆”というのも感じられました。 友好親善というのは、一回一回の訪問の積み重ねがあって熟していくものだなと実感したご訪問でした。 【井上茂男(いのうえ・しげお)】 日本テレビ客員解説員。皇室ジャーナリスト。元読売新聞編集委員。1957年生まれ。読売新聞社で宮内庁担当として天皇皇后両陛下のご結婚を取材。警視庁キャップ、社会部デスクなどを経て、編集委員として雅子さまの病気や愛子さまの成長を取材した。著書に『皇室ダイアリー』(中央公論新社)、『番記者が見た新天皇の素顔』(中公新書ラクレ)。