コロナ分科会「新ステージ指標」を提案 尾身会長、他メンバーとも大枠一致
新型コロナウイルス対策を検討する政府の分科会が8日、開かれた。その後、西村康稔(やすとし)経済再生担当相は記者会見し、同日の主の議題の1つとして、これまでに政府が緊急事態宣言の発出や解除の基準としてきた「ステージ」の指標を見直す提案が尾身茂会長からなされたことを明かした。西村担当相は「リバウンド防止に向けた指標、ステージの考え方について、尾身会長から試案があがった。おおむね共通認識できた」と述べた。 これまで得た知見をもとに指標を整備することによって、一定の数値を超えた時点で端緒をつかみ、効率的な対策を打つ、サーキットブレーカーの役割を担えるようにすることが狙い。
これまでと同様なのは、感染経路不明者の割合(ステージ3,4ともに50%以上)と新規陽性者数(人口10万人当たり、1週間。ステージ3は15人以上、ステージ4は25人以上)。PCR陽性率はこれまでステージ3も4も10%以上とされていたものを、ステージ3の基準を5%とし、早い段階でアラートがなる仕組みに改めた。 西村、尾身両氏が言及したのは病床のひっ迫具合を把握するための指標としてこれまで用いてきた最大確保病床の使用率。地域によって病床数としては確保できても、看護師の数が不足している例などもあり、必ずしも「ステージ4になることを防ぐためのステージ3」という役割を果たしていなかったのではなかったという。 そこで、病床使用率と並立する形で、入院を必要とする患者がどれだけ入院できているかを示す「入院率」を導入。ステージ3は40%以下、ステージ4は25%以下と設定した。尾身会長は「より多角的に医療のひっ迫状況が評価できる」と語った。 療養者の数もそれぞれステージ3が20人(人口10万人当たり)、ステージ4が30人(同)と設定された。従来は新規感染者が1週間で退院することを見越し、とともにステージ3が15人、ステージ4が20人だった。しかし、実際は感染者の多くが長く療養するため実態に合わせる形で修正したのだという。