2024年は「ブレイクスルーの年」だった
私は2024年を「ブロックチェーンのブレイクスルーの年」として記憶するだろう。変革は早い時期から始まり、どんどん進んでいった。私にとって驚くべきことは、この1年間、全体的な方向性や市場が変化したことは一度もなかったということだ。起こったのは、絶え間ない加速だけであった。 2023年の終わりには、すでに2024年がうまくいきそうだということが私たちには分かっていた。欧州連合(EU)の暗号資産市場法(MiCA)が施行される予定だった。これにより、欧州における暗号資産(仮想通貨)、現実資産(RWA)、ステーブルコインの法的枠組みが構築された。私たちはすでに、この変革を見越して、EU地域全体でビジネスが活発化するのを目の当たりにしていた。 そして2024年に入ると、大成功がひっきりなしに訪れた。ビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)を正式に承認する最初の米証券取引委員会(SEC)の決定が年明け10日に下され、5月にはイーサリアム(ETH)がそれに続いた。年の半ばには、話題はこれら2つの素晴らしい出来事から、世界的な規制の収束という、より一般的なビジョンへとシフトした。世界中のいたるところで、暗号資産、デジタル資産、ステーブルコインが個人や企業にとって法的に利用しやすくなっている。 米国における一連の規制と法律面での成功は、それだけでは十分ではないとでも言うかのように、この業界の方向性と運命を決定づける大統領選挙によって幕を閉じた。11月6日の朝、ブロックチェーンの世界は大きく様変わりしていたと言っても過言ではない。 規制当局の承認、パブリック・ブロックチェーン、合法化されたデジタル資産へと徐々にシフトしていたものが、疾走するようになったのだ。 最も重要なことは、パーミッションド・ブロックチェーン、トークン化預金など、パブリック・ブロックチェーンよりも規制当局に受け入れられやすいという理由だけで存在していたブロックチェーン・エコシステムの要素が、すべて市場価値と地位を失ったことだ。10月には慎重だった顧客も、今では突然、激しい競争に敗れることを心配している。