ジョコビッチの全米OP危険行為失格を海外メディアや”悪童”マッケンローが痛烈批判「今後悪者扱い」「トラブル続き」
全米オープンテニスで世界ランキング1位の優勝候補、ノバク・ジョコビッチ(33、セルビア)が線審にボールをぶつける危険行為での失格により4回戦で姿を消すというまさかの事件が起きた。6日(日本時間7日)にニューヨークで行われた男子シングルス4回戦の世界ランキング27位のパブロ・カレーニョ・ブスタ(29、スペイン)との試合の第1セットで、ブレークを許したジョコビッチは、イライラが募ったのか、ボールを後方に向けて叩き出した。このボールが壁際に立っていた女性線審の首付近を直撃。女性線審は首を押さえて、その場に座り込んだ。心配したジョコビッチは、すぐに駆けつけ、審判に「故意ではない」「病院にいくような怪我ではない」と主張したが、協議の末、規約にのっとり危険行為とみなされジョコビッチの失格が告げられた。 ジョコビッチは試合後の会見を拒否したが、自らのインスタで、「線審の彼女にこのようなストレスを与えてしまい、本当に申し訳ありません。故意ではありませんが、間違っていました」と謝罪した。だが、大会主催者は罰金を科すことと獲得ポイント、賞金の没収を発表。米スポーツ専門メディアのESPNによると没収される賞金は25万ドル(約2650万円)で罰金は1万ドル(約106万円)。会見ボイコットの罰金が加算されるという。 海外メディアは、ジョコビッチの危険行為失格をここまでの一連のトラブルと関連づけて厳しく叩いた。 かつて“悪童”と呼ばれていた4大大会シングルス7度優勝のジョン・マッケンロー氏は、ESPNのビデオ解説で、「ひどい1日だった。2020年になって(ジョコビッチにとって)通常では考えられないことばかりが起きてしまっている。全米を前にノバクが唯一、負けるとすれば、彼自身が自滅するパターンしかないと話していたが、このようなことが起こるとは夢にも思わなかった。何と言ってよいか分からない。彼はボールを後ろに打つことを止められなかった。私から見ればルーキーのようなミスだ。彼はボールを打つ先を見てもいなかった。私の経験から言っても、ああいうときは、気をつけなければならないのだ。驚くべきことだ」と、この危険行為をバッサリと斬った。 そして「フラストレーションをためて、プレッシャーを受けてしまい、コート上でやるべきではない行為を引き出してしまった。彼が好もうと好まかろうと、彼は今後の残りのキャリアで悪者扱いとなることは明らかだ。彼が、どのように対処していくか興味深い」と厳しく批判した。 オーストラリアのABCテレビは「ジョコビッチの新型コロナウイルス(に関連するトラブル)や論争の1年は、全米オープン失格でさらに悪化をたどる」との見出しを取り「2020年は我々すべてにとって厳しい1年となっているが、プロのアスリートの中では、ジョコビッチのように厳しい議論を呼び、争いを引き起こす年になっている選手は他にいない」と皮肉をこめて報じた。