「ホンダはEVでもNo.1を目指します」初の電動スポーツ車を25年に市場投入!ホンダの最新二輪EV戦略を電動領域担当者に聞いた
ホンダが「EV Fun Concept」を発表! 初の電動スポーツ車として2025年に発売予定
ホンダは2024年11月上旬、イタリアで開催された「EICMA 2024」(通称ミラノショー)でファンモデルの電動バイクのコンセプトモデル「EV Fun Concept」を発表した。ホンダ初の二輪EVファンモデルであり、かつ、ホンダ初の固定式バッテリーを搭載した車両で、中型排気量相当のスポーツモデルだという。現時点ではコンセプトモデルという扱いだが、注目すべきは2025年に市販版を投入すると明言している点だ。 【画像10点】2025年に市販される!ホンダ初の電動スポーツ車「EV Fun Concept」を写真で解説 これまでコミューターモデルだけだったホンダの二輪EVだが、ここからどう変わっていくのだろうか(ホンダは2024年を電動二輪車のグローバル展開元年と位置付けている)。 また、EVのファンモデルとはどのようなバイクなのだろうか。二輪・パワープロダクツ電動事業統括部 電動事業部 部長の浜松正之さん、EV Fun Conceptの開発責任者を務めた田中幹二さんにEICMA 2024の現場で話を伺った。 註:なお、このインタビューは合同で取材を行ったもので、質問はモーサイ編集部からのものだけではありません。
EVのファンモデルが欲しいという声に、ホンダとして応えたい
──まず、ホンダがEVのファンモデルを投入する狙いを教えてください。 カーボンニュートラルというものが世の中で求められていてますが、私達としては、EVはあくまでカーボンニュートラルを達成する選択肢のひとつだと思っています。その選択肢はいっぱいあるべきだと思って、いくつも水面下で動いているがのもありますが、先行してお客さまに提供できるのがEVということになります。 ただ、EVは注目度は高いのですが、マーケットはまだとても小さい。各社色々なものが出てきていて、どこが一番最初に勝ち抜くのか……という状況だと思っています。社会的責任としてやらなきゃいけないという面もありますが、そうした中でお客さまの声を聞くと、モーターサイクルらしいEVが欲しいという意見や、我々ホンダみたいな二輪ブランドが作った信頼性あるEVが欲しいという意見がありました。 そういった私達の強みを生かしたEVがお客様に商品提供できれば、EV市場の中で勝てる存在になれるのではないかと。そこで今回は、走っているものを見せることほどインパクトはないだろうと、プレスカンファレンスでは実際に走らせたわけです。 やる以上、ホンダはナンバーワン二輪車メーカーとしてEVであってもNo.1を目指しています。どんなとこでも勝ちたいっていうのはやっぱりホンダにはあるんですよね。そのために、まずEVを買おうと思った場合にホンダという選択肢がなければいけないし、機種の数も必要です。スクーターもそうですが、EVのモーターサイクルに乗りたいという要望に対し、そういったモデルがちゃんと用意できることが大事だと考えているのです(浜松さん)。 ──EV Fun Conceptに関してですが、「ファンモデル」としての特徴はどのような点にあるのでしょうか。 二輪車自体が運転を楽しめる領域が多いので、スクーターであってもどんな形であっても楽しい乗り物と言えますが、やっぱりまたがって乗るモーターサイクル的な形というのはスポーティな操縦感覚になると思います。私達も「人車一体」という言葉をずっと使ってきていますが、マシンを操る楽しさといったところを求めていくと、このようなネイキッドスタイルがその楽しさを表現するのに一番適していると考えました。 デザインに関しては、EVというと先進的・未来的な面を強調したものが多いですが、それを強くしすぎると現在モーターサイクルに乗っている人の感覚とかけ離れてしまう可能性もあります。EV Fun Conceptは新しさと未来感は持ちつつも、モーターサイクルらしさもしっかりある……「半歩先の未来」という感じでしょうか。 具体的にはモーターサイクルらしい骨格があり、メカニカルな部分も見せる要素として残しています。そのうえで、EVならではのスリム化とそれに合わせた外装で新しさを表現しました。今までのホンダとはちょっと違うテイストでデザインしていて、エンジン車とも違うし、他社EVとも違うものになっていると思います。ホンダはエンジンで70年以上二輪車を作ってきていますが、EVでもその技術や経験を活かし「モーターサイクルらしさ」を考えて作ったのが今回のEV Fun Conceptです(田中さん)。