「ホンダはEVでもNo.1を目指します」初の電動スポーツ車を25年に市場投入!ホンダの最新二輪EV戦略を電動領域担当者に聞いた
EVのスポーツ車とはどんなライディングフィーリングなのか?
──「ファンモデル」というジャンルにおいて、エンジン車とEVで運転感覚に違いはあるのでしょうか? 私達もEVの開発は初めてのことばかりで、やっていく中でどれが一番いいのか?と試行錯誤ではあって……。バッテリー、モーター、重量などエンジン車と違う部分はたくさんあるわけですが、どういうプロセスでモーターサイクルを開発していくという点は大きく変わっていないと思います。 ただそこは議論がすごく難しくて、開発を始めるときも色々な意見がありました。これはちょっと私個人の意見になるかもしれませんが、恐らく乗る場所や環境が大きく変わらない限り、ガソリン車もEVも同じ方向性になるのではないかと思います。 ライダーがバイクの重心をどのようにコントロールするかという二輪車の操作の仕方がそんなに変わるわけではありません。なので、基本的にはこれまでやってきたエンジン車のモーターサイクルに近い方向に収斂していくといいますか(田中さん)。 ただ、彼のような乗り手のプロとは違って、私のような一般ライダーの目線でいうと、EV全般の特性として加速感、レスポンスは全然違う。そういうところはEVならではの楽しい面だと思います。一方で、他社のEVに乗ったときに感じたのは、重量があるのでコーナーに入るときには怖いんですね。エンジンブレーキもありませんし(浜松さん) 確かにエンジンブレーキという概念がないので、それによってサスペンションの初期の縮みがエンジン車とフィーリングが違うとか、いわゆるクランクマスが無いことによる荷重の乗せ方が違うとか、エンジン車との差を感じる部分もあります。データとして出ているものではなく、あくまで私個人の感覚ですが。今までのモーターサイクルのライディングに合わせるなら、自然にフロントに荷重を乗せていけるような調整が必要かもしれません。 一方、回生ブレーキというEVならではの機構もあるわけですが、エンジンブレーキと違って回生ブレーキは強弱を変えられたりもできるので、それは操る楽しさにもかかわってくる部分だと思います。EV Fun Conceptではどうなっているのか、そのあたりは具体的にお話できないのですが、四輪EVのように回生ブレーキを使ってワンペダルで操作するみたいな点が二輪に適しているか、そういうところもトライしていきたいとは考えています。 DCTはクラッチ操作をしなくて済むのでコーナリングに集中できるというメリットがありますが、ワンペダル的な乗り方でブレーキ操作が簡略化されたら新しい乗り方に繋がっていく可能性はあると思っていますので(田中さん)。