独断と偏見、自動車最前線執筆陣が選ぶ【2024-2025年の1台】ホンダ電動化の幕開け、BEV「N-VAN e:」に期待
運転席では、エアコン操作部やパワーウインドウなど、運転中に操作頻度の高いスイッチ類を、インパネ中央部に集中配置する。ドライバーが視線や意識を可能な限り運転に集中できるようにするための工夫だ。またメーターには、N-BOXと同じ7インチTFT液晶タイプを採用。大きくシンプルな表示により、運転に必要な情報をスムーズに確認することを可能とする。 さらにシフト操作は、最近のホンダ車に多いスイッチ式の「エレクトリックギアセレクター」を採用。「D/B」を1回押せば通常の前進、もう1度押すと下り坂などでの減速度を上げる「Bモード」に切り替わる。また、後退するときは「R」を引き、駐車時は「P」を押す。筆者の愛車などガソリン車のシフトレバーは、オーソドックスなバータイプなので、最初はやや操作に戸惑った。だが、慣れれば、スイッチを押すだけなので、よりイージーに、素早いシフト操作が可能。そのぶん、運転へより意識を集中できるといえるだろう。
■電動化で激変、あきらかに変わった加速感 筆者は、栃木県にあるホンダのテストコースで、4人乗りのe: L4を試乗した。実際の走りで、まず印象的だったのが、かなりスムーズな加速感。バンクもあるオーバル状の高速周回路を走行したのだが、直線路を徐々に加速していくと、あきらかに車速の伸びがガソリン車よりいい。 とくに、このときは、事前にNAエンジン車で同じ場所を走ったあと。NAエンジン車は「最高出力39kW(53PS)・最大トルク64N・m(6.5kgf-m)」で、筆者が乗るガソリン・ターボ車の「最高出力47kW(64PS)・最大トルク104N・m(10.6kgf-m)」よりも非力だ。そのため、例えば、50km/hから100km/hまで加速した際、車速の伸びがかなり遅い印象だった。その点、N-VAN e:の加速は驚くほどスムーズで、愛車のガソリン・ターボ車を超えるほど余裕ある感じだった。
【関連記事】
- 【写真】日産、2026年までに「30車種導入」で挽回なるか。日本とアメリカの日産車ラインナップを見る
- 【写真】RX-9にタイプR…DB12と見たスポーツカーの未来。2000GTから今に至るまで変わらない普遍の意義
- 【写真】カワサキの最新モデル、昭和を感じるネオクラシック「メグロS1」と「W230」。その元になった「250メグロSG」や「W650-W1」、さらに兄貴分になる「メグロK1」や「W800」も含めて、ディテールを紹介
- 【写真】ベース価格3875万4040円、V型12気筒エンジン搭載のロールス・ロイス新型「ゴースト・シリーズⅡ」の全容。内外装やバリエーションを見る
- 【写真】モト・グッツィ「V100マンデッロ」のディテール。ローライダーのダイナミズムと本格ツアラーの快適性を融合した新機軸