渡邊雄太がNBAで日本人2人目歴史的デビュー「自分の夢。一生忘れない瞬間」
NBAのメンフィス・グリズリーズと2WAY契約をしている渡邊雄太(24)が27日(日本時間28日)、本拠地のフェデックス・フォーラムで行われたフェニックス・サンズ戦でNBA公式戦デビューを果たした。2004年にサンズでプレーした田臥勇太以来、日本人として14年ぶり2人目の快挙だ。 2WAY契約は、各チームが15人のロースターにプラスして、NBAキャリア4年以内の選手2人と契約できるもので年間45日以内コートに立てる。プレシーズンゲームで存在感を示した渡邊は、この日、アクティブリストに登録された。111-86のリードでむかえた第4クォーター残り4分31秒に出場。ディフェンスで負けない高さでリバウンドを2つ獲得すると、残り1分36秒には自らドリブルで仕掛けてファウルをゲット。フリースローを得て、それを左手で確実に2本とも決めてNBA初得点をマークした。 米国の地元メディアは「日本人2人目のNBAプレーヤー誕生」というトピックスに注目した。 メンフィスの地元紙である「コマーシャル・アピール紙」は、グリズリーズの勝利を伝える記事の中で、「歴史的デビュー」という小見出しを入れて渡邊のデビューを紹介した。 「グリズリーズのルーキー、渡邊が第4クォーターの終盤に登場し、日本出身のNBA選手として2人目のデビューを果たした。グリズリーズの勝ち試合の中でフリースロー2本を決めた」という結果を伝え、「これは自分にとって最初の出番でありNBAで初めてのバスケットボール。この瞬間は一生忘れることはない」と、渡邊の試合後コメントを紹介した。 206センチ、93キロの恵まれた体格を持つ渡邊は、尽誠学園卒業後にアメリカに留学。NCAA1部のジョージ・ワシントン大学で活躍しながらNBAを目指していた。
「デイリー・メンフィアン紙」も「サンズに楽勝。ガソルがバランスの取れた攻撃を牽引した」とのタイトルをとった記事の中で「渡邊がNBAで2人目の日本人選手となった」と記した。同紙が選ぶ 「マン・オブ・ザ・マッチ」の中で、渡邊を「特別賞」として評価。 「2ウェイプレーヤーの渡邊は、今夜グリズリーズのアクティブロースター入りした。第4クォーターの残り4分31秒でコートに入り、NBAの試合で出場を果たしたわずか2人目の日本人選手となった。彼の先輩である田臥勇太は2004年に4試合、偶然にもフェニックス・サンズでプレーした」と伝えた。 記事は、「渡邊はただコートに出ただけでは満足しなかった。彼は守備での多才さと記憶に残るボール扱いにきらめきを見せた」と渡邊のプレーを紹介。 「サンズのガード、エリー・オコボ(の守備)へスイッチし、ドライブを遮り、それからミカル・ブリッジズのジャンプシュートを防ぐためにペイントエリアの反対側に猛突進した。渡邊は、ダンクシュートを決めるところだったが、ディロン・ブルックスのアリウープパスが少し外れた。NBA初得点はフリースローだった」と続けた。 また同紙も「自分にとって大きな意味を持つ。NBAは小さいころからの自分の夢。日本のファンが誇りを持って、多くの若者が見て、NBAが彼らの夢になって欲しい」という試合後の渡邊の声を紹介している。 同じく地元紙である「メンフィス・フライヤー紙」も勝利を報じる記事の中で「チームが大きなリード(111-86)を取ったことで、渡邊が試合終盤にコート入りし、NBAでプレーした2人目の日本人選手となった」と伝えた。 「日本のNBAツイッターのユーザーは、間違いなくこの瞬間に注目していた」 同記事を担当したマシュー・プレストン記者は、この日、自身のツイッターにて渡邊の歴史的なデビュー動画を2本発信したという。 「最大に拡散し、それも圧倒的な規模で読まれた自分の2つのツイートは、試合前のウォームアップでの雄太のダンクシュートと、試合中にシュートを狙い、そのシュートは外したが、ファールをもらった場面を私がスマートフォンで撮影した質の悪いビデオだった。ほとんど、すべてのリツイートと、お気に入りは、日本のバスケットボールファンからのものだった」と、SNSでの反応を紹介した。 グリズリーズの公式ツイッターも渡邊のNBAデビューの瞬間にツイート。日米のファンに大きな反響を呼んでいた。