働く人に増えているメンタル不調のほとんどが「適応障害」。発症しやすい傾向にある人の特徴とは?産業医が解説
◆責任感の強い人、相談下手な人は特に注意 先日、ある企業で産業医面談を行ったときのこと。 その社員の方は、自分がまかされているあるプロジェクトのことを考えると泣いてしまうといって、面談の場でもずっと涙を流していました。ただ、泣きながらも「投げ出すわけにはいかないので今は休めません。働きたいです」と繰り返していて、今は休みたくはない、このままプロジェクトをやり遂げたいという意思は明確でした。 人事の方を経由して職場での様子を確認したところ、仕事中に涙が出たことはないという話でしたので、このときには上長にフィードバックして、フォローしてもらうことを条件に一旦様子を見ましょうということになりました。 この方のように、つらくてもギリギリまで頑張ろうとしてしまう方は多いです。 適応障害は誰しもなる可能性のある病気ですが、特に、責任感が強くてまじめな方、周りの人に相談したり助けを求めたりするのが苦手な方がなりやすいように感じます。そうした方は、すべてを自分一人で抱え込んでしまいやすく、自分のキャパシティを超えたときに心のバランスを崩してしまうのです。 また、その人の性格だけではなく、周りの協力を得られにくい職場でも、一人で抱え込みやすく、適応障害を発症しやすい傾向があります。 ※本稿は、『産業医が教える 会社の休み方』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
薮野淳也
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