親の遺品から、私名義の「通帳」が見つかりました。毎年50万円で「500万円」貯めてくれていたようですが、受け取って大丈夫ですか? 初めて預金の存在を知ったのですが、贈与が完了しているなら“申告不要”でしょうか?
名義預金とみなされないようにするためには
名義預金とみなされないためには、該当の預金について、贈与の要件を満たす必要があります。贈与は以下の3要件を満たして初めて成り立ちます。 (1)贈与者が財産をあげる意思を示す (2)受贈者が財産をもらう意思を示す (3)受け取った財産を受贈者が自由に使える状態にする 本ケースの預金については、(1)は満たしていても、(2)と(3)は満たしていません。自分(受贈者)は財産の存在を知らず、もらう意思を示していませんし、親(贈与者)が通帳を持っていたため自分が自由に使える状態にはなかったからです。 名義預金とみなされないためには、受贈者が自由にお金の出し入れができる口座に、受贈者が分かるように入金する必要があります。また客観的に(2)を示せるように、贈与契約書を残しておくと良いでしょう。
名義預金は贈与にはならない。適切な財産管理を
親が残してくれた遺産の中に自分名義の通帳があった場合、それが名義預金に該当すれば、贈与が成立しているとは限りません。名義預金は、通帳を受け取ったタイミングで贈与もしくは相続とみなされるリスクがあることを理解しておくことが重要です。 本ケースでは、贈与は成立しておらず相続とみなされるため、相続税がかかります。 名義預金とみなされないようにするには、受贈者自身が口座を管理した上で、贈与契約書を残すなど、明確に贈与であると証明できる状況を作り、予想外の贈与税・相続税がかかることを避けましょう。 出典 国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合 国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税) 執筆者:浜崎遥翔 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
ファイナンシャルフィールド編集部