「私だけ独身で、気が重い」と思っていた同窓会。54歳、再会した彼と「別居婚」をするまで
高校時代の同級生と再会し、意外な展開に
そんなとき、高校時代の同窓会の案内が届きました。最後に高校時代の同窓会に出たのは10年以上前。当時も、参加した仲間うちでは自分だけが独身でした。50歳を過ぎて、お孫さんがいる同級生もちらほらいる中、顔を出すのは気が進まないような気もします。 でも、「気分転換になりそうだし、おいしいお酒が飲めるかもしれないし」と軽い気持ちで参加することにしました。 そこで再会したのが、卒業以来会っていなかった同級生の彼です。当時はそれほど親しいわけではなかったのですが、お互いに顔も名前も憶えていて、「変わってないね」と言って笑い合い、気楽に話をすることができました。自分がずっと独身でいることや母と2人で暮らしていることも、彼には率直に話すことができたそうです。 彼のほうは10年前に離婚して、今は気楽なひとり暮らしを楽しんでいるということでした。高校生の息子さんとは2、3カ月に1回は会うそうですが、「向こうはいやいや会ってくれているんだよ。小遣いめあてだな」とちょっと恥ずかしそうに話すその口調には、息子さんへの愛情がにじんでいました。 高校時代に吹奏楽部に所属していた彼は、今も趣味でクラリネットを吹いていて、アマチュアオケに参加することもあるそうです。「最近、クラシックを聴くようになった」とW子さんが話すと、「来月、公演があるからよかったら来る?」と誘ってくれたのです。 W子さんは「行きたい!」と飛び上がって喜んでその場でスケジュールを確認し、チケットを手配してもらう約束をしました。 その公演のあと、彼はW子さんを打ち上げに誘ってくれました。社交的なW子さんはオケのメンバーともすぐに打ち解け、その後、改めて彼と2人で食事へ行くことに。 音楽以外にも、旅や温泉が好きなことや、フィルムカメラが趣味なことなど、2人には共通の話題が多く、何時間でも話が尽きません。ワイン好きなところも同じで、食の趣味も合います。会うたびに話が盛り上がり、お互いに「これからの人生を共に生きたいと」と思うようになりました。