「私だけ独身で、気が重い」と思っていた同窓会。54歳、再会した彼と「別居婚」をするまで
母親を置いていけない。お互いの生活を変えない別居婚へ
ただ、W子さんは母親を最期までそばで支えたいと思っています。もし結婚することになっても、家を出たくありませんし、今さら母が一人暮らしをするのは難しそうです。そのことを伝えると、彼はあっさり「結婚しても、今までのまま別々に暮らせばいいんじゃないかな」と言ったそうです。そして、「必要なときはいつでもお母さんの手伝いをするよ」と。 彼を紹介すると、母親は想像した以上に喜んでくれました。「卒業アルバムを見たのよ。面影があるわね」とニコニコしていたそうです。言葉には出さなくても、自分がいなくなったらひとりで生きていく娘のことが気になっていたのかもしれません。 こうして2人は、別居婚をしています。結婚してからも平日は今までと変わらない生活が続いているので、高齢の母親がペースを乱される心配はありません。W子さんが仕事から帰ると、母親は夕食を用意して待っていてくれます。週末には彼がW子さんの家にやってきて、母親の買い物を手伝ったり、一緒に食事をしたりしているそうです。 夫婦とはいえ、長年別々の人生を歩んできた他人同士。それぞれに自分の時間や空間を尊重しているおかげか、ストレスはないそうです。「結婚する前もした後も、一度もケンカをしたことがないんです」とW子さんは話してくれました。いつの日か母親が亡くなってW子さんがひとりになったら、同居する予定なのだそうです。 W子さん夫妻のケースは、お互いの生活スタイルを守りながら、人生のパートナーとしてともに生きていく、大人同士ならではの結婚の形といえるでしょう。 ▶次のページ【後編】では、同窓会を出会いの場にする2つのポイントとは?…について、アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーの伊藤友美さんにくわしくお伺いしました。
アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラー 伊藤友美