リアルとフェイク、環境にやさしいクリスマスツリーはどっち?
最も持続可能なツリーは圧倒的に鉢植え
こういった条件を考慮に入れて分析した結果、持続可能クリスマスツリーのチャンピオンは、圧倒的な差で鉢植えツリーでした。 鉢植えツリーの強みは、根を張って生きているところ。クリスマスシーズンだけ自宅に置くために、片道8kmを毎年2往復するため、CO2排出量は人工ツリーと使い捨てリアルツリーよりも多くなります。でも、5年間ずっとCO2を吸収し続けるので、この分析で用いた条件下では、排出量よりも吸収量のほうが多くなっています。Walker氏によると、ツリーショップまでの距離が片道15km以上になると、排出量が吸収量を超えるとのこと。 Walker氏の分析による使用開始5年後の最終順位は次のようになりました。 1位: 鉢植えツリー 2位: 使い捨てリアルツリー(埋め立て処分) 3位: 使い捨てリアルツリー(生分解処分) 4位: 人工ツリー 5位: 使い捨てリアルツリー(焼却処分) 人工ツリーの環境負荷は、6年使えば生分解処分するリアルツリーよりも小さくなり、8年使えば埋め立て処分のリアルツリーよりも小さくなります。
排出量が少ない処分方法を選ぶ
毎年クリスマス用に切り倒されたリアルツリーを買って、シーズン終了後に処分するのを批判する声は以前からあるんですよね。アパートの共同ゴミ捨てコンテナに突き刺さっていたり、粗大ごみ回収の日に道ばたに置かれている生ツリーを見るとため息が出ます。 Walker氏は、使い捨てツリーにしろ、人工ツリーにしろ、なるべく排出量が少ない処分方法を選ぶことを推奨しています。人工ツリーなら、燃やすよりも埋め立てのほうが排出量は少なくすむといいます。人工ツリーの構造上、リサイクルは無理っぽいですしね。 Walker氏は、今回の調査から得た重要なこととして、声明の中で次のように述べています。 「私の研究では、本物の木でできたクリスマスツリーが最も持続可能な選択肢であることが多いという結論に達しました。しかし、適切に処分した場合に限ります。このことは、生活のあらゆる側面において、再利用やリサイクル、持続可能な代替品を考慮に入れる重要性を強調しています。最も持続可能な選択肢は、すでに所有しているものである場合が多く、人工のクリスマスツリーでも、できるだけ長く再利用すれば、環境負荷を減らせます。」 筆者は15年くらい同じ人工ツリーを使い続けている(飾るとネコたちが破壊するのでもう何年も箱の中ですけど)ので、1年あたりの排出量は相当小さくなっているはず。焼却も埋め立ても避けるために、これからもクローゼットの中で眠ってもらいます。飾らなければ電飾にも電気を使わないのでさらにサステナブル。 引っ越したら、移動で排出したCO2も足されてしまうんかな…。 Source: University of Sheffield
Kenji P. Miyajima