東芝が米原発子会社の損失開示遅れで会見(全文1)
ウェスチングハウスほか、電力・社会インフラ事業グループの主要案件について
司会:それでは志賀より、ウェスチングハウス社を含めまして電力・社会インフラ事業グループの主要案件につきましてご説明を申し上げます。 志賀:志賀でございます。私のほうから電力・社会インフラ事業グループの主要案件に関するご説明を差し上げます。スライドのほうを見ていただきたいと思います。本日ご説明いたします内容、ここに4項目挙げてございます。ウェスチングハウス社ののれん減損テスト。またウェスチングハウスの事業概要。2番目がランディス・ギア、こちらにつきましても減損テストにつきましていろいろご質問いただいておりますので、これにつきましてもご説明いたします。また私どものグループで大きな案件といたしまして、英国のNuGen、そちらについて3番目にご説明します。また最後にLNGのプロジェクトでございますけれども、フリーポート液化サービス契約これにつきましてもご説明いたします。 まずウェスチングハウスについてご説明いたします。この表でございますけれども、この表はウェスチングハウスを買収いたしました2006年から2015年の上期までの売上高および営業利益の表でございます。それぞれ内訳が書いてございまして、ウェスチングハウスとしては燃料BU、またサービス。その他、これはコーポレートの費用等でございます。それを合わせましたウェスチングハウス、それとウェスチングハウス外、これが主に日本国内の原子力事業でございます。またウェスチングハウスと東芝の間でのビジネスのやり取りがございますのでその部分が連結調整という項目でございます。これらを合わせまして、燃料サービスという項目で合算を示しております。 さらにウェスチングハウスの建設、AP1000というプラントを建てておりますけれどもそれについての内訳が書いてございます。こちらで見ていただきますように2006年から2015年に向けて順調にビジネスは進んでおります。売上高の合計5兆1,506億円ということでございます。営業利益につきましても見ていただきますようにここの赤でくくったところ、ここが燃料とサービスの項目でございまして、累計の実績といたしまして2,545億円。ROSといたしまして6%という結果になってございます。建設につきましてはAP1000初めてのプラント建設でございますのでいろいろ厳しい状況になってございまして、合計で累計マイナス505億円ということになってございますが、この合計といたしまして約2,000億の営業利益が今まで生まれているというものでございます。表の下のところにウェスチングハウス単独の数字が出ております。ここで2012年、2013年のところがマイナスになってございますが、こちらが今日、これからご説明いたします減損という形での数字を考慮した内容でございます。 次のこの表でございますが売上高は今ご説明したものと同じでございまして、下は今回減損評価というところについてご説明する関係上EBITDA。これは営業利益に減価償却分を戻したもの。キャッシュを表すもの。このウェスチングハウスがどういうふうにお金を生み出しているかという指標の1つといたしまして、EBITDAを示してございます。こちらで見ていただきますように、赤で囲ったところ燃料サービスこちらがウェスチングハウスのベースになる安定したビジネスでございますけれども、4,133億というのが今までの累計の金額でございます。これに対しまして建設がマイナス250という数字がございますので、全体といたしまして約3,900億円。これが今まで買収してから今期の上期までの累計のEBITDAという数字でございます。 次に減損テストについてご説明いたします。減損テスト2012年というところでございますが、こちらのところで実施いたしました減損テスト、破線で囲みましたところがウェスチングハウスの中で行われております減損テストの結果でございまして、各BUわれわれプロダクトラインと呼んでおりますけれども、この4つのプロダクトラインの結果が書いてございます。ここの結果を見ていただきますと、新規建設こちらにつきまして簿価と時価の関係でございますが、時価のほうが簿価を下回っているという結果でございます。 サービス、燃料につきましては時価が簿価を上回っているという結果でございます。オートメーションこれは新プラント、主に新プラントのI&C、計装制御系の仕事をしているところでございますけれども、こちらも時価が簿価を下回っているという結果がこの2012年の減損テスト。ステップ1と言っておりますけれどもそれの結果でございます。 その結果といたしまして減損テストのステップ2というところに移りまして、こののれんの評価ということが行われましてその結果といたしまして、新規建設につきましてはのれんの減損額が677ミリオンダラー。またオートメーションのほうが249ミリオンダラーという結果になってございます。右側のほうを見ていただきます。青い線で囲ったところでございますけれども、こちらはウェスチングハウス全体の時価と簿価、今、左のほうで示しましたものの足し算、合計でございます。この数字を見ていただきますと時価のほうが簿価より上回っているということでございます。この結果をもちましてウェスチングハウス全体、東芝としてはウェスチングハウス全体を所有しているということでございますけれども、減損しないという結論でございました。この時点で全体が減損していないということで、われわれそこのところで止めてしまいまして、本来子会社の減損につきまして、株主の方の視点に立って公開すべきであったというふうに今は深く反省しております。 次に2013年の結果についてご紹介いたします。こちらにつきましては左の破線で示してあるところ簿価よりも時価が高いという結果になってございます。建設を除いてですね。 で建設につきましてはやはり時価が簿価を下回っているという結果でございました。この前提といたしまして、その中の四角で書いてございますけれども、従来インカムアプローチという手法を取ってございました。こちらは将来のキャッシュフロー、EBITDAなどをベースにそれをディスカウントレートで計算するという手法でございますけれども。マーケットアプローチ、これは新設が厳しくなっているということを考えまして他社、例えばフランスのAREVAなどを考慮したマーケットアプローチというのを併用した形になってございます。具体的にはインカムアプローチが75%。マーケットアプローチが25%という比率で評価いたしましてこのような結果、そしてステップ2に移りまして、394という数字ミリオンダラーでございますけれどもこちらの減損判定ということでございました。 右側でございますけれども、こちらは合計でございまして、こちらは日本の評価でございます。この足し算でございますけれどもインカムアプローチに従った評価ということで時価が簿価を上回っているという結果でございました。この時価、このマーケットアプローチにつきましては私ども先ほどご説明いたしました燃料サービスのビジネスが非常に安定して堅調であるということでございまして、マーケットアプローチは必要ないだろうというような議論をいたしまして、最終的にこのインカムアプローチで合意いただいてこの評価を採用しているということでございます。 そのあと2014年のご説明をいたしますけれども、2014年、私ども原子力事業部とウェスティング事業部。これを一体化いたしました。ここでは外部環境の変化、福島等が起こりまして国内のビジネスが非常に先行きが分からなくなっている現状、それを見まして私どもとしてはウェスチングハウス、また東芝をさらに一体化していくということが必要だということでそれに踏み切ったものでございます。そういう関係でグローバル投資戦略の統一。もしくは効率的な事業部運営ということを達成すべく、そうしたわけでございまして具体的なシナジーといたしましては建設知見の共有であるとか製造面での協業などがございます。 これを前提といたしまして、私ども原子力事業の減損テスト、14年度はトータルではそういう形でやってございます。ここにはそのときの詳細な数字を示してございます。15年度から17年度、こちらにつきましては私ども中期計画というのを立ててございまして、3年間の事業計画を立ててございます。それにつきましての売上高、営業利益、そしてEBITDAというものでございます。さらに通常の減損評価ですと、この5年程度を見てそのあと永久成長率ということで見ますけれども、原子力の場合は非常に長いビジネスであるということで15年間のビジネスプランを立ててこの減損評価をしております。右図を見ていただきまして、EBITDAの推移といたしまして、中計の数字15年度、16年度、17年度というのがございますけれども、それ以降につきましてそれぞれのビジネスが成長し、また建設の新たなチャンスが生まれてくるということを前提といたしまして、15年間のうち12年間の平均といたしまして1,800億円のEBITDA、これを前提とした評価をいたしました。その結果がここに示したものでございます。 上の段の右のほうを見ていただきますと、ウェスチングハウスで行われた減損評価結果でございます。こちらではそれぞれのBU、もしくはプロダクトライン、そちらのほうで評価が行われておりまして、Passというふうに書いてございますけれども、それぞれ合格ということでございます。燃料に関しましては非常に堅調なビジネスだということで、定性評価のみを行ってPassということになっておりますので、数字が入っておりませんがPassという、合格ということになってございます。このとき新規建設に関しましてはウェスチングハウスのほうでは現在私どもが新規建設として狙っております、15年間で64基、受注していくということにつきまして、前提としております。これに対しまして、東芝のほうで行っております、連結ベースでの減損評価、それが下に書いてございます。ここでは前提条件といたしまして今。申し上げました64基、これを46基という形でより現実的な値にするということと、永久成長率につきましてはウェスチングハウスの評価では2.5%でございますけれども、東芝の評価では0%ということで厳しめなストレスを与えた状態で評価をいたしまして、結果といたしまして公正価値といたしまして約8,100億円、そして帳簿価格が約7,300億円ということで合格ということになってございます。のれんの残高は現在3,235億円という結果でございます。