2024年度の首都圏・女子中学受験動向を「女子学院桜蔭対策」専門塾に聞く
付属校や「国際系」の難関校の人気が継続
――付属校はいかがですか。一時に比べ、付属校人気も落ち着いてきたと耳にします。 竹本:女子に関しては大学付属校人気は変わらずです。全日程を見ても早稲田、学習院、青山学院、明治、立教、中央の各大学の付属校や系列校は受験者数が増えています。 2024年度は明治大学付属八王子と中央大学附属、中央大学附属横浜の2月1日午前入試の受験生が増えていて、それらの学校を第1志望にしている受験生が増えていることもわかります。 また、女子校では学習院女子が2月1日入試で58名、2月2日入試で111名も増えています。2月1日の受験生は282名なので、増加率は相当な高さです。 一方、立教女学院は2月1日入試が前年度比で60名減っています。こちらも受験者数は274名なので大きく減らしています。この2校は共通点が多いのです。付属校で女子校。場所も杉並区久我山と新宿区戸山で、エリアがとても離れているわけではありません。 そのため、「GMARCHの付属校で女子校を受験したい」と考える受験生は、2月1日入試でいずれかを選択することになります。どちらかに受験生が集まれば、もう片方は減るという現象が起こりやすいのです。今年は学習院女子が人気だったので、立教女学院は減らしたということになります。 立教大学の系列校では香蘭の2月1日が9人減、2月2日が4人減となっています。進学校の趣があり、大学受験で立教以外の大学を目指すことを前提にした受験生も多かった香蘭ですが、今は指定校推薦が増えたことで、立教大学への進学を視野に入れて受験するケースも一定数います。 ――付属校以外の共学の難関校はいかがでしょうか。グローバル教育に力を入れている、いわゆる「国際系」の難関校です。今や渋幕は女子の最難関校ですが、人気は変わらないのでしょうか。 竹本:難関「国際系」は、いずれも受験生が増加傾向にありますね。1月20日の市川は、2021年は2.64、2023年は2.89人、2024年は2.99倍。1月22日の渋谷教育学園幕張は、2022年は3.10倍、2023年は3.63倍、2024年は3.77倍。2月1日は渋谷教育学園渋谷が2022年2.25倍、2023年2.63倍、2024年3.98倍。これらの中学は3年連続受験者を増やしていますね。 2月1日の広尾学園の本科は2022年5.29倍、2023年6.27倍、2024年は5.31倍と減らしていますが、去年増加したのでその反動でしょう。