日銀・黒田総裁会見9月17日(全文2)新型コロナは最も重大なリスク要因
日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の17日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀、大規模な金融緩和策を維持 黒田総裁が記者会見(2020年9月17日)」に対応しております。 【動画】日銀、大規模な金融緩和策を維持 黒田総裁が記者会見 ◇ ◇
共同声明の点検、確認などは必要ないか
NHK:総裁、NHKの【ナガノ 00:28:12】です。手短に2点質問させていただきます。先ほどの共同声明に関連することではあるんですけども、この共同声明、政府と日銀、双方で公表されたということは承知しているんですが、一方で2%の物価目標を依然達成されていない状況、あと新政権が発足したタイミング、さらには新型コロナのある種の想定外の事態によって物価の下押し圧力が掛かっている、そういった現状を踏まえて、今こそ例えば共同声明の在り方について、双方で議論、点検、あるいは確認をするといった必要性についてどういうふうにお考えなのかというご所見を伺えればと思います。これが1点目です。 もう1点目は金融政策からは少し離れてしまうのですが、昨今、電子決済サービスを通じた預貯金の不正流失の問題が利用者の不安を広げているというような状況になっております。これについては利便性と顧客の保護、預金者の保護の両立の難しさというのをあらためて突きつけている形になっているかと思うのですが、黒田総裁のご所感があればお伺いできればと思います、以上です。 黒田:まず第1点につきまして、もちろん2%の物価安定の目標っていうのは日本銀行の政策金融政策決定会合で決定して、そしてその上で政府との共同声明でこういう形で行われているわけであります。私どもとしてこの2%の物価安定の目標を変更する必要があるというふうにはまったく考えておりません。引き続きその実現を目指して努力をしていくと。それも先ほど来、申し上げておるように、景気循環をならして、平均的に2%ということですので、現在のオーバーシュート型コミットメントにおいても、2%を上回ることも一定期間、認めるということまで含めたこの2%の物価安定目標ということでありますので、これについてはもちろん現状、これは日本だけではなくて欧米もそうですけれども、新型コロナウイルス感染症の影響によって物価の上昇率はかなり大きく低下していまして、一部の国ではマイナスになっていると。わが国でも今後、若干マイナスになる可能性もあるということであります。 ただ、そのことが何か、日本を含めて欧米各国でも2%の物価安定の目標を変えようという話にはまったくなっておりません。私どもそれは、そういう考えはまったくありませんので、いずれにいたしましても引き続き2%の物価安定の目標の実現を目指して、日本銀行としては金融緩和を粘り強く続けてまいりますし、経済政策全体の運営につきましては、共同声明にうたわれてきたことを引き続き踏まえてまいりたいというふうに考えております。