日銀・黒田総裁会見9月17日(全文2)新型コロナは最も重大なリスク要因
セキュリティーの確保促したい
電子決済うんぬんの話で、最近預金が不正に引き出された問題とかいうのが生じているということは存じておりますけども、詳細は調査中ということですので、コメントは差し控えたいと思いますが、一般論として足元でさまざまな形でキャッシュレス決済への取り組みが加速しているわけでして、例えば金融機関によるオープンAPIとか、AIやクラウドサービスの活用など、いろいろな形が広がっておりますので、従来とは異なるシステムリスク、あるいは個人情報管理、サイバーセキュリティーなどのまったく新しい、新たな問題にさらされる可能性がありますので、やはりいずれにおかれても提携先とか、あるいは外部委託先の管理も含めて、適切なリスク管理体制を構築していくってことが求められるのではないかと、そういったことは今後とも金融機関に対して、各種リスクへの対応、それからサイバーセキュリティーの確保ということは促してまいりたいというふうに思っております。
株高についての見解を聞きたい
TBSテレビ:TBSテレビの【ゴトウ 00:33:32】と申します。2点お願いします。振り返ってみると安倍政権下では現在のコロナ禍もそうですか、株高が続いておりまして、その株高について、日銀の金融緩和策やETFの買い入れによるバブル相場に過ぎないのではないかという指摘もありますが、その点について総裁のご見解をお聞かせください。これが1点目です。 もう1点目なんですが、新政権では菅総理が地銀の再編について必要性を言及しておりますが、この点についてもご所感、ご見解をお聞かせください。 黒田:第1点につきましては、私どもも量的・質的金融緩和、あるいは長短金利操作付き量的・質的金融緩和、またその下でのETFその他の資産の買い入れ。これら全て経済を刺激して、また金融市場の正常な機能を強化して、経済が持続的な成長軌道に乗るとともに、2%の物価安定目標を実現するために行われているものであります。 具体的には、このETFの買い入れ自体につきましても、特定の株価を念頭に置いて何かしているっていうことではなくて、あくまでも株式市場におけるリスクプレミアムの動向を見て、それが大きく変動したリスクプレミアムが拡大し過ぎないように弾力的、適切にETFの買い入れを行っているわけでありまして、また、その結果として現在の株価につきましてもご案内のとおり、株価収益率その他のいろんな指標で見ても、特に異常な株高になっているということにはなっていないと思いますので、ご指摘のような心配はないと思います。ただ、いずれにせよETFの買い入れにつきましては市場の状況を見ながら弾力的にやってまいるというつもりであります。