最もカンタンに相手と距離を縮めるのは「失敗談」?感情を揺らせば信頼感は次第に高まっていく
フリーアナウンサー下間都代子さんが、SNSで2000人にとったアンケートでは約7割の人が「自分の声が嫌い」と答えたそう。しかし下間さんは、「話し方一つで、あなたの『声』は良くも悪くも印象が変わる」と話します。そこで今回は、下間さんの著書、『「この人なら!」と秒で信頼される声と話し方』から、信頼される「声」と「話し方」のスキルを一部ご紹介します。 【書影】関西でお馴染みの実力派アナウンサーが、シンプルなのに効果的な「声」と「話し方」のスキルを初公開!下間都代子『「この人なら!」と秒で信頼される声と話し方』 * * * * * * * ◆「感情」を揺さぶるコミュニケーション術 人は大人になると、感情を出さなくなる。かつては欲しいものを欲しい! と、その場で床に寝転んで駄々をこねた子どもも、いつしか理性を持って、感情をセーブするようになる。 特に初対面の相手に自分の感情を出すなど、そんな子どものようなことはできない、いや「してはいけない」と思っている。 だから、最初はヨロイも身につけているし、感情が伴うような本音は見せないのである。 「笑う」「笑わせる」というコミュニケーションほど、人と人の距離を縮めるものはない。ここで一番簡単な方法が「失敗談」を話すことだ。 笑える失敗談で安心感が生まれるのと同じように、ネガティブな自分を晒すことで相手はやはり安心する。失敗談とネガティブ話で笑うことにより、心が動き、扉が開き始める。 すると、「この人になら」自分の本音や感情を見せても良いのではないか? と感じ始める。そこで、次のように相手に言ってみよう。 「あなたにはこんなことありませんよね?」 これを「決めつけクエスチョン」という。 「ありますよね?」というのではなく、「ありませんよね?」という“否定の表現”で問うことによって、相手の感情を揺さぶることができる。
◆「完璧」だと思われることを嫌がる 多くの人は「失敗談」もあれば「ネガティブ話」も持っている。 しかし、このときの問い「あなたにはこんなことありませんよね?」のニュアンスには「あなたのような完璧な人には、こんな経験ありませんよね?」の意が含まれている。 ほとんどの人が、「完璧」だと思われることを嫌がる。完璧だと思われてしまうと、失敗したときに損だからだ。 だから慌てて否定してくるはず。 「そんなことありません。私もしょっちゅううっかりしています」 「そんなことありません。私もダメなこと、たくさんありました」 このように返してきてくれたらこちらのペース。「相槌」のテクニック、「ええっ? 本当ですか!」をやや大袈裟に言おう。 このリアクションによって、相手は「自分の返答があなたの感情を揺らした」と思う。