【選手権】東北学院、一瞬の隙を突きV弾 滝川二は悔しさが募る敗戦
第103回全国高校サッカー選手権大会は31日に2回戦16試合を実施。ニッパツ三ツ沢球技場で行なわれた東北学院と滝川第二の一戦は、FW9岡元龍太(3年)のゴールを守り切った東北学院が1-0で勝利した。 【フォトギャラリー】東北学院 vs 滝川第二 試合の主導権を握りながらも、一瞬の隙を突かれた失点により敗戦したため、滝川第二の悔しさは募る。「怯まず、驕らず、溌剌との部分が出せて山梨学院戦は凄く良いゲームができたのですが、今日の前半は特に驕りではないのですが、少し相手に合わせすぎた」と振り返るのは小森康宏監督で、前半12分にMF16阿部慶人(2年)の左クロスから岡元にシュートを打たれた以外は滝川第二のペースだった。 22分にはPA右でのFKを中央マイナスに入れて、FW24空久保善(2年)が強烈なシュートを放ったが、GK1橋本脩礼(3年)がストップ。28分には自陣からのクリアボールのこぼれ球を拾ったMF10三宅蔵ノ助(3年)が右サイドを抜け出し、ゴール前に展開する。受けた空久保が反転からシュートを放ったが、タイミング間合いを詰めた橋本が足でセーブ。こぼれ球を空久保が再び狙ったが、DF4吉田健太郎(3年)が身体に当てて、CKに持ち込んだ。 30分には中盤でのボール奪取から三宅がロングフィードをPA左に展開。上手くコントロールしたFW25北村勇貴(1年)がシュート、橋本が上手く前に出て足で触って、CKとなった。この日の橋本は父でもある橋本俊一監督が「GKが頼もしく見えました。いつも以上に頑張っていた」と称えるほどの高パフォーマンスを披露。「サンドバッグ状態で対応するのが僕の強み。こうやって高校3年生最後の大会で、自分のストロングポイントが出せて嬉しい」と本人も笑みを浮かべる働きで、無失点のまま試合を折り返した。 後半20分に右CKのこぼれ球から空久保がゴールを狙うなど滝川第二がチャンスを作ったが、前半同様ゴールは遠い。25分には中盤からのロングフィードを3列目から飛び出した三宅がDFの背後で反応。見事なコントロールからシュートまで持ち込もうとしたが、並走したDFがブロック。 試合後、三宅は「前半は足元、足元になってしまっていたので、後半はもっと裏を狙っていかないといけないという話が出ていた。しっかり全員が意識して、良いボールは出たのですが、決定力が足りなかった」と悔しさを滲ませた。 守備の時間が続いた東北学院だが、30分には左CK付近でFKを獲得。MF6杉山和勢(3年)がゴール前に上げたクロスをファーに飛び込んだ岡元が頭で合わせて先制に成功する。試合終盤はCKのこぼれ球から粘ってゴールを狙い続けるなど滝川第二に押し込まれたが、執念で跳ね返し続けて逃げ切りに成功した東北学院が3回戦へと駒を進めた。 「お互いに一昨日のゲームで消耗しているのは分かっていた中、プラン通り戦えた。セットプレーが勝負の分かれ目になると思っていた中、一昨日とは違うセットブレーで取ることができて良かったです」。橋本監督が話す通り、疲労が残る中でも勝負どころをしっかり抑えて勝利できた価値は大きい。東海大相模と対戦する3回戦に向けて弾みのつく勝利となったのは間違いない。 (文・写真=森田将義)