バレンシア戦に臨んだレアル・マドリー、1点ビハインドでヴィニシウス退場も…85分にモドリッチ、96分にベリンガムが決めて劇的逆転勝利!
レアル・マドリーは3日にラ・リーガ第12節延期分、敵地メスタージャでのバレンシア戦に臨み、2-1で勝利した。 マドリーの2025年最初の試合は、バレンシア州の豪雨災害によって延期となっていた一戦。ここで勝ち点1以上の結果を手にすれば、今季初めてラ・リーガ首位に立つことができる。対して、2部降格危機でバラハ監督を解任したばかりのバレンシアにとっては、前ウェスト・ブロムのコルベラン監督の初陣となる。 アンチェロッティ監督はGKクルトワ、DFルーカス・バスケス、チュアメニ、リュディガー、メンディ、MF後列セバージョス、バルベルデ、前列ロドリゴ、ベリンガム、ヴィニシウス、FWエンバペを先発させ、4-2-3-1のシステムを使用している。 前半、マドリーはボールを保持して敵陣に攻め込むも、5-4-1で守るコルベラン監督のバレンシアに苦戦。アタッキングサードでほぼスペースを見つけられず、ロングボールを多用する相手の速攻に手を焼いた。 そうして27分、バレンシアが速攻の機会を生かし切った。フォルキエのグラウンダーのクロスにハビ・ゲラが右足で合わせると、クルトワが超反応でボールを跳ね返す。すると、このこぼれ球にウーゴ・ドゥロが詰めて枠内に押し込んだ。マドリー側はバレンシアの速攻がロドリゴに対するファウルから生まれたことを主張したものの、スコアが1-0から0-0に戻ることはなかった。 ビハインドを負ったマドリーはバルベルデ、チュアメニがミドルから同点弾をうかがうものの、枠を捉えることはできず。さらに43分にはセバージョスのスルーパスからヴィニシウスがペナルティーエリア内左に侵入するが、右足で打ったシュートは精度が甘く、GKディミトリエフスキにセーブされている。 前半はバレンシアのリードのまま終了。なおメスタージャの観客は、因縁の相手であるヴィニシウスがボールに触れる度に辛辣なブーイングを浴びせ、さらに「ヴィニシウスはバロン・デ・プラジャ(ビーチボール)!」と、スペイン語で黄金のボール、つまりはバロンドールを意味するバロン・デ・オロにかけた皮肉のチャントも叫んでいる。これに対してヴィニシウスは、「2部に落ちろ」を意味しているのか、右手の2本の指を立てていた。 後半、攻勢を強めるマドリーは53分、前線でのボール奪取からエンバペがボックス内に侵入し、タレガに倒されてPKを獲得。しかしキッカーのベリンガムが放ったシュートは、惜しくも右ポストに直撃した。マドリーはさらに59分、今度はベリンガムのスルーパスからエンバペがボックス内に入り込み、ディミトリエフスキをかわしてから右足のシュートでネットを揺らしたが、これはオフサイドを取られている。 ゴールを決まらないまでも流れをつかんできたマドリー。アンチェロッティ監督は68分にロドリゴ、メンディを下げてブラヒム、カマヴィンガを投入して火力を増やす。が、76分にヴィニシウスが悪い意味で主役に……。 ボックス内で倒れたヴィニシウスをディミトリエフスキが襟をつかんで強引に立ち上がらせると、瞬間的に激昂したマドリーの7番がバレンシア守護神の顔を腕で思い切りはたいた。ディミトリエフスキはその場で倒れ込み、主審はヴィニシウスを報復行為によって一発退場としている(ディミトリエフスキにはイエローカード)。ヴィニシウスはメスタージャで2シーズンぶりの2回目退場となった。 数的にも不利に陥り危機的状況に立たされたマドリーだったが85分、出場したばかりのモドリッチが逆境を跳ね返すマドリディスモ(マドリー主義)を誇示した。前線でブラヒムがボールを奪取し、ベリンガムがボックス内にスルーパスを送ると、そこに走り込んだキャプテンが左足のシュートでディミトリエフスキを破っている。モドリッチは39歳116日でのゴールで、プスカシュ氏の39歳15日を上回って、マドリー最年長得点記録を更新している。 ついに同点に追いついたマドリーは、96分に彼ららしい劇的決勝ゴールを決めた。ハイプレスからギジャモンのトラップミスをうながすと、すかさずボールを奪ったベリンガムがそのまま右足のシュートでネットを揺らした。マドリーは終了間際、ルイス・リオハに強烈なミドルシュートを放たれるも、これはポストに当たり枠外へ。最後に肝を冷やしたが、1点をリードして終了のホイッスルを耳にしている。 連勝のマドリーは勝ち点を43として、1試合消化が少ないアトレティコ・マドリーに勝ち点2差をつけて今季初めて首位に浮上した。