「面会・手紙を断たれた」親子 「精神的苦痛を受けた…」児童相談所の一時保護を巡り県を提訴 県は全面的に争う姿勢【長野】
児童相談所の一時保護を巡る裁判が始まりました。伊那市の男性とその娘が、「面会や手紙のやりとりを不当に断たれ、精神的苦痛を受けた」などとして、県を相手に損害賠償を求める訴えを起こしました。 6日始まったある民事裁判…。訴えを起こしたのは伊那市に住む団体職員の50歳の父親と、現在、都内の大学に通う20歳の娘です。 ■娘(20) 「高校3年生という、進学を決める大切な時期に父親に相談することは出来ませんでした」 事の発端はおととし4月… 訴状などによりますと、当時高校3年生だった娘が弁当のご飯を捨てたことに対し、両親と口論に。 娘は高校の担任に相談し、諏訪児童相談所で一時保護されました。 その後、自分の意思で今後について判断する18歳になりましたが、「愛着障害や盗み癖などがあるため支援が必要」として、本人の同意を得ないまま大学進学まで入所が続いたということです。 ■娘(20) 「『これでいいよね?』と言われて『はい』としか言えず署名をした。自分では施設の人にお世話になっているという気持ちの方が大きくなってしまって、反抗的なことはすることが出来なかった」 さらに、親子は8月以降面会を許されず、父親が送った手紙も娘に届くことはなかったといいます。 ■父親(50) 「児童相談所は世の中に虐待等もあるので、無くてはならない機関と重々思っています。 ただ、誤認のような形で子どもを一時保護というのは、親としては気持ち的に拉致としか思えなかったですし、親に対するアフターケアって無いの?って思っていました」 親子は児童相談所を運営する県に対し、精神的苦痛に対する慰謝料として、あわせて200万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。 そして6日、第1回口頭弁論が行われ… ■親子の代理人・長谷川洋二弁護士 「県の方からは『本人の同意があって保護をしたし父の手紙も拒絶した、会うことも拒絶した』全て同意であったという言い方をするんです」 親子は、「面会や手紙については拒絶していない」と主張。 県は「個別の事案について詳細は答えられない」としたうえで、全面的に争う姿勢を示しています。 ■親子の代理人長谷川洋二弁護士 「お父さんお母さんに代わって、親身になって子ども側の立場で相談に乗ってくれるカウンセラーが必要だと思う」 2回目の口頭弁論は来月28日に開かれる予定です。