各地で事故多発の掘削機「シールドマシン」の稼働実態とは? 広島市の住宅街陥没に続き、町田市でも地下水湧出&気泡出現!?
トンネル掘削機「シールドマシン」が原因とみられる事故が絶えない。今年だけでも品川区、広島市、町田市で確認されている。そもそもどんな機械なのか? どうしてこんなに事故が多いのか? 今後も事故は続くのか? 徹底取材で明らかにする! 【写真】民家に湧いた水と気泡、幹線道路の陥没 ■自宅の庭に突然湧水と気泡が発生! 10月22日朝6時。東京都町田市小野路町に住むMさん(80代男性)は、庭に突如として湧いた水とブクブク泡立つ気泡に驚いた。 Mさんは水道管の破裂を疑ったが、数時間後に来訪した市水道局の職員がその場で試薬検査を実施し、塩素反応がなかったため、「水道水ではない」と告げられた。 つまり、地下水である可能性が高い。なぜ突然、地下水と謎の気泡が湧いたのか。いったい地下で何が起こっているのだろうか。 Mさんが付き合いのある市民団体「リニア中央新幹線を考える町田の会」(以下、町田の会)に来てもらったところ、現場を見たメンバーは、「JR東海のリニア中央新幹線(以下、リニア)の工事が原因では」と推測し、13時過ぎにJR東海と施工を担う建設会社「安藤ハザマ」に現場に来るよう連絡した。 町田の会の奥村憲雄さんは、「Mさん宅から約200m離れた立て坑から、昨年7月に直径14mの掘削機(シールドマシン)がリニアのトンネル掘削を開始しました。 そしてまさに今、Mさん宅の近くにまで迫っています。今回の件はマシンが原因だと思います」と推測した。事実、マシンによる気泡発生は過去にも発生していたからだ。 ■マシンの仕組みと過去の気泡発生事故 まず、シールドマシンについて簡単に説明しよう。マシンの形状は円筒形。その先端には土を削るための、おろし金のような金属製の刃(カッタービット)が何百個と装着されている。 この先端部分が回転しながら土を掘削する。概して、都市部での軟らかい地盤に向いた工法とされている。地質によっては、土を掘りやすくするためにカッタービットのいくつかからシェービングクリームのような起泡剤を噴霧する。