はやぶさ2、リュウグウ観測状況は? JAXA会見(全文2)重力モデルの精度向上に
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は24日、記者会見を開き、「はやぶさ2」のターゲットマーカー分離運用と、小型ローバー「MINERVA-II2」の分離運用について説明した。 【動画】はやぶさ2のリュウグウ観測状況は? JAXAが会見(2019年9月24日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「はやぶさ2のリュウグウ観測状況は? JAXAが会見(2019年9月24日)」に対応しております。 ◇ ◇
分離運用の意義、目的
吉田:ということで、あらためまして今回のローバ2の分離運用の意義、目的でございますけれども、まず1番目には理学的にリュウグウの重力モデルの精度向上に貢献するようなサイエンスデータを取得すること。そして2番目には工学的でありますが、小惑星に小型人工物を周回起動させるという、軌道周回のための技術を蓄積することの2点であります。では次のスライドを。ごめんなさい、間違えました。戻ってください。下のほうの説明です。 具体的な運用計画といたしましては、まずリュウグウ表面から高度約1キロメーターでローバ2を分離いたします。分離場所はほぼ赤道上空でございまして、そこからリュウグウの自転方向、先ほど久保田先生からお話ありましたけれども、東側、探査機から見て右方向に秒速十数センチメーターの小さな初速度で分離をいたします。具体的には秒速13センチから17センチメーター毎秒ぐらいの数値になるであろうと予測をしているところであります。そして分離後の運動を「はやぶさ2」本体上のONC、W1、W2カメラ、およびONC-Tカメラにより光学撮像していただきまして、ローバ2の運動の様子を計測するというのが計画であります。それでは次のページをお願いいたします。 次のページに投入軌道に関する予測値を示しております。まず軌道でございますけども、先ほど申し上げましたように赤道の周りを、赤道上空を周回するような軌道でございます。軌道寿命としてはおよそ5日間ぐらい、最終的にリュウグウの表面に着地するまでに日数を要するだろうと考えておりますが、これはプラスマイナス数日間の開きがございます。この間の周回数としては8回プラスマイナス数回、リュウグウの周りを周回するだろうと予測をしております。 1回目の、1周期目の周期はおよそ17時間、これも若干の開きがあるところでございますが、そのように予測をしております。これらはあくまでも予測値で分離時の初速度、初期速度やリュウグウの重力場の不均一性などによって、状況によって、結果が変わってくるものと考えております。ローバ2の運動を可能な限り計測することにより、データを蓄積して解析することで、これらの数値を明らかにすることが有意義な成果につながるというふうに考えております。では次のページをお願いいたします。