はやぶさ2、リュウグウ観測状況は? JAXA会見(全文2)重力モデルの精度向上に
設置時の速度はおよそ50センチ毎秒
次のページではローバ2のリュウグウ表面への設置、およびその後について簡単に紹介をしております。ローバ2がリュウグウに設置するときの速度はおよそ0.5メーター毎秒、50センチ毎秒程度であろうと予測をしております。これは地上高さ、約1.5センチぐらいのところからローバを落下させた場合と同じ程度の速度でありまして、設置衝撃によりローバが破損する可能性は極めて低いと考えております。 そしてローバ2の当初の、本来の実験項目であります以下の4つのものでありますが、偏心モータによるマイクロホップ移動、これは東北大で準備したものでございます。板ばねを用いた弾性力反動移動、これは大阪大学で準備いただいたものです。そして永久磁石を用いた撃力反動移動、これは東京電機大学で準備いただいたもの。そしてMICAMカメラ。これは東京理科大学にて開発いただいたものですが、これらにつきましてはデータ処理系が復活しない限りは実施することはできないものでございまして、今回は残念ながらデータ処理系が復活しない限りは実施できないと考えております。 一方、バイメタルを利用した反動移動機構、山形大学が開発したものがございますが。これは電力や能動的な制御を使うのではなく、環境の温度によって動作するものでございますので、リュウグウに設置したあと、日照、日陰による温度変化によってこれが動きまして、ローバが移動する可能性が若干あるのではないか、というふうに考えて居ます。しかしながらその移動の状況を確認することは、現在では困難であるというふうに考えております。 次のページはローバ2の搭載機器、当初計画の搭載機器ならびにローバ2搭載機器の状況を紹介しております。この図が全体図でございまして、その次のページに各大学が開発をした4つのタイプの異なる移動機構でございまして、ここの中の1つ、左側の上にありますのが山形大学の環境依存型座屈機構というもので、バイメタルという、温度によって状態が変化するばねが入っておりますので、これがモーター駆動ではないものですので、動く可能性はあるということでございます。