なぜ西武の山川穂高は118kgドラ1渡部健人の減量不要論を説いたのか…「体重は重ければ重いほど飛ぶ」
この日は、“おかわり君“中村剛也(37)、山川、森友哉(25)と続く、西武の巨漢スラッガーの系譜を継ぐ、ドラ1の渡部と初めて顔合わせをした。 挨拶代わりに「おまえクビがないな(笑)」とルーキーをリラックスさせてから、その肉体を品定めするかのように体中をポンポンと叩いた。 「体を触ったけどいい肥り方じゃないですかね。パンパン。すごく体が張っている。バッティングは見ていないのですがノックのグラブさばき、足さばきを見ても体をコントロールしている。大丈夫じゃないですかね。外で打っているところを見てみたい」 そして、先日、減量不要論を説いた”おかわり君”に山川も同調した。 「(中村の意見に)めちゃめちゃ同意見です。痩せたいとかの記事が出ているけど痩せなくていいと思う。痩せないといけない雰囲気が出ているのは可哀そう。僕ら(巨漢)は痩せようと思ってやっと体重キープですから(笑)」 入寮時に体重が増えており球団からは、「甘いものを控えるように」と減量指示と思えるような指令が出ているが、山川は自らの経験と理論をもとに減量不要論を説く。 なぜ減量が不要なのか。 山川が説得力のある根拠を説明した。 「バッティングは長さか重さかのどっちかで飛ばすしかない。大谷(翔平)みたいに身長が高くてリーチで飛ばすか、小さくても重さで飛ばすかのどっちか。重くてスピードがある方が打球が飛ぶ。重ければ重いほどね。彼が(スイング)スピードを出せるなら僕より体重が重いんだから僕よりも飛びますよ。体重が重いことに悪いことはない」 渡部の体重は現在118キロ。では、山川は?と気になるが、自らの体重については、「もうその話題は、渡部にバトンタッチ」と、苦笑いで非公開とした。 山川が説いた「重さで飛ばす」という独特の理論は打撃フォームを本塁打王獲得バージョンに戻した理由にもつながるのかもしれない。 昨季はソフトバンクにペナントを奪われ、CS争いでは最後に“逆マジック“を点灯させてロッテをあと1勝まで追い詰めながらも敗れ3位に終わった。投手力が課題とされてきたが、ブルペン陣は大健闘、自慢の山賊打線が足を引っ張った。チーム本塁打数107はリーグ3位、打率.238は5位、得点479は4位と沈んだ。その要因の一つが山川と森の2人のタイトルホルダーの不振だった。山川は開幕から1か月を過ぎた夏場に不動の4番から外され、その後、4番に復帰したが、熾烈な2位争いをした最後の9試合は足首の状態が思わしくなくスタメンから外れている。打倒ソフトバンクのポイントは、山賊打線の復活であり、山川が不動の4番としてタイトルを獲得することだろう。計算は立たないが渡部がプラス戦力となれば言うことはない。その使命を背に山川は、ルーキーにアドバイスを送り、自らは新しいスタイルに挑戦するのである。