なぜ西武の山川穂高は118kgドラ1渡部健人の減量不要論を説いたのか…「体重は重ければ重いほど飛ぶ」
昨季は大胆なフォーム改造に手をつけた。無駄な動作を削り落としタイミングを取る際に左足も大きく上げずコンパクトにまとめた。率も追い求める新打法に取り組んだのだが、本塁打量産のペースが下がり、夏場に右足首を痛めたことも手伝い、打率.205、24本塁打、73打点の成績に終わった。史上6人目となる3年連続の本塁打王獲得はならなかった。 「スイングスピードは手首。それを加速し、ぶれないようにするのが足。足が固まって手が出てくる。だから足を強く」が、持論の山川にすれば、右足首の怪我で理想の打撃スタイルをキープできなかったのである。 その反省をもとに自主トレから2年前の豪快なフルスイングバージョンへと戻した。 2年連続でタイトルを奪った当時、山川がバッティングの極意をこう説明してくれたことがある。 「基本的に全部マックスで振れるところでボールを待っている。ストレートが来たときは、振らなくていいんです。ポンと合わせるだけ。それで飛びます。本当のフルスイングをするのは、変化球でタイミングが外されときに体の反応でマックスで振れるかどうか、そこを意識しているんです」 そのスタイルに回帰したのである。 ただ、目標数字を再確認されると「今のは適当に思い浮かんだことを言っただけ」と、若干修正。 「結果的にホームラン王を取れればいい。35本で取っても嬉しいが40本を超えてホームランを取るのがカッコいい。そこを目指していきたい」 昨季は新型コロナの影響で試合数が減ったこともあり楽天の浅村栄斗は32本でタイトルを取ったが、5位タイの山川とは8本差があった。このまま順調に開幕を迎えて今季予定通りに143試合を消化できるのであれば、3年ぶりの40本復活はタイトルを獲得するためにクリアすべき目標数字にはなるだろう。 オフには中学生の頃から動画を見て憧れていたという合気道にチャレンジ。「合気道養神館本部道場」に1日入門した。 「通じるところは、たぶんあると思う。合気道は力を入れるタイミング、バランス、足さばきが重要で、そういうのは野球に生きるのかなと思うが、1回しか行っていないし、直接、どう生かすかはまったくわからない」 バッティングのタイミングを狂わせるのは力みである。脱力の極意は合気道と通じる部分はある。